【日本代表】9月シリーズで株を上げた原口が、呪文のように繰り返した「得点」へのこだわり

2015年10月08日 五十嵐創(サッカーダイジェストWEB)

「上に行くには、点を獲るしかないと思っています」(原口)

先月のアフガニスタン戦でハイパフォーマンスを見せた原口は、今回のシリア戦で代表での立ち位置を確固たるものにできるだろうか。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 誰よりもゴールを求めているのは、この男かもしれない。先月のアフガニスタン戦で左ウイングに入り、トップ下の香川と流麗なコンビネーションを見せた原口元気。ドリブル突破を最大の持ち味とするアタッカーは、2次予選の大一番となるシリア戦の前日練習後、何度も何度も「得点」という言葉を口にした。
 
「(ハリルホジッチ監督からは)いろんなことを求められているので、挙げたらきりがないです。ただ、分かりやすいのは、得点ですね。得点を決めて、点に絡んで。FWというポジションなのでそこは求められていると思います」
 
 日本代表でのゴールは、今年6月11日に行なわれたイラク戦の1点のみ。先のアフガニスタン戦ではアシストという形で得点に絡んだが、自身はネットを揺らせなかった。本田や香川といった2列目の選手がきっちりと結果を残していた一方で、無得点に終わった原口が焦りを抱いていたとしても不思議ではない。
 
 2列目は香川や本田以外にも、宇佐美や清武といった実力者が控え、さらに今回はザルツブルクで別格の活躍を見せる南野も招集された。今の代表チームで最も選手層が厚いポジションで、当然ながら競争も熾烈だ。原口が代表での定位置を確固たるものにするためには、監督やチームメイトを唸らせるような結果を残すしかない。そう本人も考えているのだろう。
 
 幸い、シリアと原口の相性は悪くない。シリアのDFはフィジカル能力に優れているものの、クイックネスには大きな不安を抱えている。小気味良いドリブル突破が持ち味の原口にとっては組し易い相手だ。アフガニスタン戦のように果敢に仕掛けていけば、ゴールに直結する仕事をするのは、そう難しくないはずだ。
 
「自分はもう一個上にいきたい。そのためには、日本代表で決定的な仕事をすることが必要です。上に行くには、点を獲るしかないと思っています」
 
 ゴールを積み重ねて代表での地位を固め、さらに次のステップへ。「今年のなかでもっとも難しく、もっとも重要な試合」(ハリルホジッチ監督)と位置付けられたシリア戦は、原口が目指す「一個上」の世界への大きな一歩になるかもしれない。
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