【日本代表】右SBの“攻防”。興味深い酒井宏樹と山根視来の競争を見るうえでのポイント

2022年09月22日 本田健介(サッカーダイジェスト)

「個人にとっても、チームにとっても1分、1秒無駄にしないように」

右SBのレギュラー争いに臨む山根と酒井。それぞれが特長をアピールしている。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 カタール・ワールドカップへ向けての"最終準備"として森保ジャパンはドイツ遠征を行なっている。

 今回は怪我の影響で大迫勇也、浅野拓磨、板倉滉らが不在のなかで森保一監督は30人を招集。チームとしてのブラッシュアップを図りながら、大会生き残りへ各ポジションで激しいアピール合戦が繰り広げられている。
 
「個人にとっても、チームにとっても発表前最後の活動なので、1分、1秒無駄にしないように活動していきたいと思っています」

 決意を口にするのは山根視来だ。

 右SBは怪我の影響で短くない期間、代表から離れていた酒井宏樹が復帰。さらに先の6月シリーズでは、代表では左SBがメインだった長友佑都を右に回す形も見られたなか、山根は経験豊富なふたりの間に割って入れるのか。

 本人も「海外で長い間活躍している選手たちなので、見習うところは本当に多くありますし、自分に足りないところが備わっている選手たちなので、そういうところで吸収しつつ、自分には違う特長はあるのでそこは出していかないと競争に入っていけないと思います」と改めて語る。

 一方で酒井は「アップデートも含めて復習というところが多いと思います。(吉田)麻也くんとの関係性、トミ(冨安健洋)との関係性もそうです。前後する人たちとの関係性、クロスが上がるタイミングで、お互いが何も考えずに良いポジショニングを取れていれば、それだけで後手を踏みません。声は出すけど味方がどこにいるのかと確認しなくても済むような関係性というのを作れれば。本当に細かいところの積み重ねだと思います」と今合宿の意義を話す。

 
 経験豊富な酒井であれば高いインテンシティを生かした守備や、激しい上下動を提供してくれるはず。一方、山根は相手と味方の立ち位置を確認しながら的確なポジションを取り、味方のサポートや中央寄りからのフィニッシュに関わることもできる。

「常にダメだったら落とされるという想いできているので、この間のE-1もそうでしたが、自分の能力を出し切るしかないのでそこしかないと思います」という山根はクロス対応の強化を個人の課題に挙げながら、自らの特長を表現することをポイントとする。

 左SBは長友佑都、中山雄太、伊藤洋輝らが争う一方で、右サイドのレギュラー争いも興味深い。ドイツで臨む9月23日のアメリカ戦(現地時間:14時25分/日本時間:21時25分)、同27日のエクアドル戦(現地時間:13時55分/日本時間:20時55分)へ山根と酒井がどんなプレーを見せてくれるのか楽しみだ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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