「ベンフィカ移籍に合意していた」鎌田大地はなぜフランクフルト残留を決意したのか? 現地番記者が明かす

2022年09月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

移籍にストップをかけたのがグラスナー監督だった

グラスナー監督(左)と鎌田(右)。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)、Getty Images

 ブンデスリーガのアイントラハト・フランクフルトに所属する日本代表MF鎌田大地は、今夏に移籍が噂された1人だ。しかし、契約期間1年という状態で残留し、今シーズンはここまで公式戦10試合で6ゴール・3アシストと絶好調。揺るぎないチームの柱として活躍を続けている。

 その鎌田について、現地紙『Frankfurter Allgemeine Zeitung』のヨーグ・ダニエルス記者は9月20日付けの記事で「彼はアイントラハトを離れようとしていた」と綴っている。

「夏に彼がクラブを離れることは、コーチであるオリバー・グラスナーとしては恐怖の1つだったに違いない。だが今、彼はクラブで最も目を引く選手であり、そして他のクラブにとっても、非常に興味深い存在となっている。

 26歳の彼はこの夏、ベンフィカへの移籍について合意していた。スポーツ・ディレクターのマルクス・クロシェも、この高貴なテクニシャンの移籍に前向きであったといわれる。彼とクラブの契約は2023年7月1日まで。現在の市場価値が2200万ユーロ(約30億8000万円)とされている鎌田の移籍には高額な移籍金が発生するはずだった」

 その移籍にストップをかけたのが、グラスナー監督だったという。
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「しかしグラスナーは、フランクフルトと鎌田を口説き落とすための、経済的に有利な取引には応じないよう、そして日本人選手の残留を強く主張した。そして彼は、鎌田と個人的に面談を行ない、チームの中心としてやっていくと説得したのだ。

 鎌田は契約が最終年であるため、残っても"飼い殺し"の危惧や、ベンチの常連になるのではないかという懸念もあった。だがそんなことにはならず、今の状態の彼に監督が信頼を寄せるのは当然だ。6番であれ、アタッキングハーフの一角であれ、ピッチで素晴らしい仕事をしている。そして、試合ごとに市場価値を高めているのだから。今後、彼を引き抜こうとする他クラブの動きは、さらに激しくなるかもしれない」

 ちなみに、鎌田とフランクフルトの契約は現時点で延長に達しておらず、結論が出ていない。しかし、ダニエルス記者は「クラブには力強い"味方"がいる」と綴っている。

「鎌田の同胞である長谷部誠は、『このまま続けて、アイントラハトとの契約を延長するといい』とチームメイトに薦めているのだ」

 果たして、鎌田の去就はどうなるのか。冬の移籍市場も含め、目が離せない状況が続きそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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