「私は悲しい」ヴィニシウスに対する“人種差別チャント”に、アトレティコファンのスペイン首相が異例の声明!「クラブはもっと深刻に受け止めるべき」

2022年09月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

マドリード・ダービーでの“チャント”に非難

マドリード・ダービーにおけるヴィニシウスへの人種差別的なチャントが問題視されている。(C)Getty Images

 ブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールに対する"人種差別チャント"に、スペインのペドロ・サンチェス首相が異例の声明を発表した。

 問題となっているのは、現地時間9月18日に行なわれたラ・リーガ第6節、アトレティコ・マドリー対レアル・マドリーのマドリード・ダービーにおける一幕だ。この試合は2-1で後者が勝利を収めたが、アトレティコサポーターの振る舞いが問題視されている。
【動画】信じられないほどの大勢の人々が…。問題になっているアトレティコサポーターのチャント

 敗者のサポーターはスタジアム外でヴィニシウスを"猿"呼ばわりするチャント。何十人もが合唱する様子がSNSなどで広く拡散されている。また、試合中には同胞のロドリゴにライターが投げつけられるなどの暴行も発覚し、マドリーは緊急声明で「こんなことは許し難い。犯人を追及する手を止めない」と怒りを露わに。一方、この時点でアトレティコ側は何も発信していなかった。

 そんななか、アメリカのTV局『Politico』のインタビューに応じた首相が「皆さんご存じのように、私はアトレティコの大ファンだ。だからこそ、とても悲しい」と口を開いたのだ。
 
「ああいった敬意に欠ける行為に対して、クラブからの強いメッセージを期待していたんだ。こんなことは許されてはならない。サッカークラブがこのような行為を真剣に受け止めて対応することが重要だと考えている。もっと深刻に受け止めるべきだ」

 この発言を知ってか知らずか、アトレティコは首相の発言に前後して、20日に声明を発表。「人種差別的な意図を持ったすべての姿勢を非難する。人物を特定するように捜査を進めており、該当する人々がクラブの会員だった場合は罰則を適用する」としている。

 スペインではつい先日、同国サッカー代理人協会(AEAF)のトップを務めるペドロ・ブラボ氏が、「君(ヴィニシウス)は対戦相手を尊重するべきだ。サンバを踊りたいならブラジルに帰るがいい。スペインではライバルを尊重し、まるで猿のようなダンスを披露するのはやめろ」と発言。これに対し、ブラジルのレジェンドであるペレや、現代表ネイマールらが怒りを露わにしたことは記憶に新しい。そんななかで繰り返された"愚行"には、厳しい対応が求められる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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