板倉、浅野が負傷離脱…受難の森保ジャパン、欧州遠征でやるべきことは? 岡崎招集や3バックも視野に

2022年09月14日 元川悦子

本大会に向けてFW陣をどうするか

少なくない怪我人を抱える森保ジャパン。欧州遠征では戦力的にも戦略的にも選択肢を増やし「最適解」を見出したい。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 2022年カタール・ワールドカップ(W杯)出場を決めた今年3月の最終予選・オーストラリア戦。この大一番に先発していた浅野拓磨(ボーフム)と板倉滉(ボルシアMG)の2人が、膝を痛めるというショッキングなニュースが飛び込んできた。

 浅野は9月10日のシャルケ戦で右膝じん帯を断裂、板倉は同12日の練習時に左膝じん帯を部分断裂したという。どちらも手術をせず、保存療法で回復を目ざすというが、約2か月後に迫った本大会参戦への道は険しいと言うしかない。

 日本代表の負傷者は彼らだけではない。特に不安が大きいのはFW陣だ。ご存じの通り、最前線の絶対的主軸である大迫勇也(神戸)が今季試合に出たり出なかったりを繰り返していて、今月の23・27日の欧州2連戦(アメリカ戦・エクアドル戦)に参戦できるか微妙な情勢なのである。

 7月の新シーズン開幕から絶好調だった古橋亨梧(セルティック)にしても、3日にレンジャーズ戦で左肩を負傷。6日のチャンピオンズリーグ、レアル・マドリー戦で復帰したものの、万全の状態という保証はない。

 古橋の同僚・前田大然(セルティック)も昨季ほどのゴールラッシュを見せられておらず、欧州挑戦に踏み切ったばかりの上田綺世(サークル・ブルージュ)も壁にぶつかっている印象だ。

 となれば、森保一監督は本大会に向けてFW陣をどうするかを第一に考えていかなければならないだろう。

 欧州遠征では、まずは既存FWの状態をチェックすることが最初のテーマになってくる。上記の面々のうち誰が使えるのか、W杯本大会でフル稼働できるのかを見極めることが肝要だ。

 そのうえで、7月のE-1選手権で活躍した町野修斗(湘南)や欧州組のオナイウ阿道(トゥールーズ)、大ベテラン・岡崎慎司(シント=トロイデン)など本職のFWを招集するのも一案。

 実際、岡崎は8月中旬に新天地へ赴いてから全試合で先発出場中。コンディション自体は4年前のロシアW杯よりはるかに良い。2019年のコパアメリカで森保ジャパンに参戦した経験もあって、グループにもスムーズに適応できそうだ。
 
 一方で、所属クラブでFW起用されている伊東純也(スタッド・ランス)や久保建英(レアル・ソシエダ)、ゴールラッシュを見せている堂安律(フライブルク)らを最前線に抜擢するというアイディアもある。

 これに関しては、森保監督も「伊東と久保はFWの位置からサイドに出たり、中盤に下りたりといったプレーをしている。生かせるところは生かしたい」と前向きにコメントしている。

 ただ、彼らは1トップでボールを収められるタイプではないから、起用するとしたら2トップになるだろう。となれば、最終予選以降、ベースにしていた4-3-3はいったん横に置き、4-4-2、あるいは3-5-2への布陣変更が求められてくる。
 

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