「リベンジしたかった」値千金の決勝点で横浜を勝利に導いたアンデルソン・ロペス「すごく自信になる」

2022年09月11日 金子 徹(サッカーダイジェスト編集部)

「自分のプレーに集中して準備していた」

3日前の湘南戦に続き、福岡戦でもゴールを決めたA・ロペス。写真:滝川敏之

[J1第29節]横浜1-0湘南/9月10日/日産スタジアム
 
 気持ちのこもった"リベンジ"弾だった。
 
 J1第29節のアビスパ福岡戦で、決勝点となるゴールを決めた横浜F・マリノスのアンデルソン・ロペス。14分、ペナルティエリア内で西村拓真からパスを受けると、前に出てきた相手GKの位置を確認して冷静に左足でゴールに流し込み、大きく飛び跳ねてガッツポーズ。スタンドに向けて喜びを表わした表情からも、この試合に懸ける想いが溢れていた。
 
 今季の横浜は、リーグ開幕時に新型コロナウイルスの感染者が続出。加えてACLのグループステージも戦う過密日程だったため、こうした状況を乗り越えるため、前半戦は大幅なターンオーバーを敢行するなど、スタメンを固定せずコンディションの良い選手を起用して戦ってきた。
 
 そのなかでもA・ロペスは、リーグ戦ではフィールドプレーヤーで唯一、開幕から14試合連続で出場し、チームトップの7得点を記録。ACLグループステージでも3試合で2得点と攻撃を牽引していた。しかし、14節のアウェー福岡戦。相手DFに対する唾吐き行為で退場となり、その後のリーグ戦6試合の出場停止処分を受けた。
 
 試合に出られない期間は、おそらく想像できないくらいの悔しさがあっただろう。それでも気持ちを切り替え、「練習時は相手チーム役を100パーセント以上の力でやってくれている」(小池龍太)と、チームに貢献するための努力を重ねてきた。
 
 21節のC大阪戦で処分は解けたが、その試合からリーグ戦5試合に続けて起用されるも無得点。ACLラウンド16の神戸戦では得点を決めるも、試合は1-3で敗戦と、チームの勝利に貢献できない時間が続いた。

 やはり悶々とした想いはあったのだろう。だから3-0で完勝した25節の湘南戦で久々に得点を決めた時は、「この瞬間のために努力してきた。(出場停止)期間は早く試合に出てチームに貢献したい気持ちで準備していた」と、少し安心した気持ちを口にしていた。
 
 そして迎えた福岡戦。ピッチに立ったトリコロールの背番号11は、自身のゴールでチームを勝利に導く最高の形で前回対戦の"リベンジ"を果たした。試合後、「(この得点は)すごく自信になる。チームの仲間や監督からの信頼はあると思うけど、もっと信頼を得て、僕の番だと思ってコンスタントに貢献していきたい」と力強く語った。
 
 また、同じことを繰り返さないために、試合に臨むに当たってケヴィン・マスカット監督からは「相手の挑発に乗らないこと」とアドバイスがあったという。
 
「それに乗ったらまたチームに迷惑がかかると言われていたので、自分のプレーに集中して準備していた。リベンジもしたかったので、(福岡と)また対戦したい気持ちはあった。それで今日、この結果に終われて嬉しい」
 
 マスカット監督もそうした姿勢を評価する。
 
「(出場停止)直後から切り替えて、素晴らしい姿勢を見せてくれた。今日までの努力があったから、素晴らしい内容になった」
 
 リーグ戦は残り7試合。2位の川崎フロンターレに勝点3差をつけ首位を走るが、まだまだ油断はできない。3年ぶりの優勝を果たすためにも、A・ロペスの得点力でチームを勝利に導いてほしい。
 
取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)
 
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