【セルジオ越後】神戸の敗因はターンオーバー? 理由にならないね。ACLでJリーグ勢は韓国のチームを圧倒できていない

2022年08月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

E-1同様、日本と韓国の実力が抜けている

タレント集団の神戸は準々決勝で敗退。厚い選手層を結果に結びつけられなかった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 ACL東地区の準決勝にJリーグ勢では浦和が進出した。8月25日の今日、埼玉スタジアム2002で韓国の全北現代と対戦する。

 今大会は7月のE-1同様、日本と韓国の実力が抜けている。現在の東アジアの力関係がそのまま出ている印象だ。中国のチームが振るわなかったので、その傾向がより顕著になった。

 グループステージを通じて、Jリーグ勢が負けたのはKリーグのチームだけ。内容を見ても、緊迫した試合になるのは韓国勢が相手の時のみだ。現在、J1で首位に立つ横浜もグループステージで全北現代に1分1敗と勝てていない。Jリーグ勢は韓国以外のクラブとの力の差があるなかで、Kリーグ勢を圧倒できていないんだ。

 日本のクラブで唯一、決勝トーナメントに進めなかった川崎は、マレーシアのジョホールに勝点で及ばなかったけど、直接対決では1勝1分。2戦目は5-0で圧勝している。神戸と同組だった上海海港の辞退によるイレギュラーなレギュレーションが響いたけど、結局、韓国の蔚山相手の敗戦が響いてしまった。
 
 神戸は、グループステージでは香港とタイのチーム相手に1位通過。ラウンド16では横浜を破ったけど、準々決勝で今大会初めて当たった韓国勢の全北現代に負けた。Jリーグで苦戦している通り、レベルが落ちるリーグのクラブ相手に勝てても、実力差が近いKリーグのチームには勝てないという分かりやすい結果だったとも言えるね。

 ターンオーバーも指摘されたけど、理由になるのかな。オフに槙野、シーズン中に小林とムゴシャを獲得しているわけだし、選手層は厚い。強化がうまくいかなかったと言われても仕方ない。

 浦和はラウンド16でジョホールに5-0、準々決勝ではタイのパトゥム・ユナイテッドに4-0と圧勝したけど、予選では韓国の大邱に1分1敗。決勝トーナメントは相手に恵まれたとも言える。全北現代は決勝トーナメントで初めて対戦する韓国勢だ。

 今大会のノックアウトステージは日本で集中開催。浦和にとって、今日もホームでの戦いだ。相手はアウェーで連勝している。簡単な試合にはならないだろうけど、決勝進出を期待したい。

【著者プロフィール】
セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、77歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。

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