「社交的で、変わった髪型」“ジーコの後継者”柳沢敦を伊メディアが回想!「監督は意欲を称え、同僚も…」

2022年08月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ジェノバはすぐに『ヤナマニア』となった」

イタリアではサンプドリアとメッシーナでプレーした柳沢。(C)Getty Images

 セリエAは8月13日に開幕する。昨季ミランに王座を奪われたインテルは、ロメル・ルカクの復帰でタイトル奪還を目指す。1年前に巨額でチェルシーに売却したベルギー代表ストライカーを呼び戻したジュゼッペ・マロッタCEOの手腕には、改めて賛辞が寄せられた。

 ユベントス時代から数々のヒット補強を実現させ、敏腕ディレクターとして知られるマロッタCEOだが、もちろん獲得したすべての選手が獲得したわけではない。

 例えば、かつてサンプドリアの幹部だったマロッタCEOは、2003-04シーズンに鹿島アントラーズから柳沢敦をレンタルで獲得した。だが、元日本代表ストライカーはインパクトを残せず1年で退団している。

 その後、柳沢はメッシーナにも移籍したが、最終的にイタリア生活で1得点も挙げることができなかった。イタリアのメディア『il Fatto Quotidiano』は8月12日、「アツシ・ヤナギサワを覚えているか…マロッタがサンプに連れてきた日本のセックスシンボルは無得点だった」と、柳沢を回想した。

「社交的で、変わった髪型もあってか日本ではセックスシンボルと考えられていたヤナギサワは、母国でFWとして得点を量産していたが、フィジカルからセカンドトップやウィングに移った。優れた技術とまずまずのスピードを持ち、ジーコは自身の後継者とみたほどだ。トニーニョ・セレーゾも非常にポジティブに評価していた」
 
 同メディアは、「ジェノバはすぐに『ヤナマニア』となり、いつものように日本のファンや報道陣が追い、お披露目が小さな会見場からホテルに変わったほどだった」と、柳沢を巡る当初の熱狂を振り返っている。

「実際、ピッチでもヤナギサワは悪くないようだった。(ワルテル・)ノベッリーノ監督は学ぶ意欲をたたえ、チームメイトたちも彼に良い印象だと話していた」

 だが前述のとおり、柳沢は公式戦で結果を残すことができなかった。il Fatto Quotidianoは「良かったのは、バーリでの親善試合に臨むまでだった。素晴らしいデビューにはならず、ユベントスを相手にたいしたことができず、1度のチャンスはGKに阻まれた」と続けている。

「リーグ戦でもおおよそ同じだった。特筆すべきことは少なかった」

 サンプドリアの後輩・吉田麻也は、セリエAで初ゴールを決めた際、報道陣の取材で「ヤナギサワ、ゴール」と、無得点だった先輩の過去をほのめかす発言で現地の笑いを誘った。ストライカーだった柳沢にとって、ノーゴールだったことは悔しいだろう。

 イタリアでの1年目に1度でもネットを揺らしていたら、その後のキャリアは違っていたのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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