なぜ中村俊輔が選手権の応援リーダーに抜擢されたか。プロデューサーが「コロナ禍で努力する高校生の目標として適任」と語る理由は?

2022年08月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

「44歳を迎えた今季も進化を続ける中村選手を目標に」

桐光学園高時代の俊輔。選手権には2年次に初出場し、3年次は決勝で市船に敗れたが準優勝に輝いた。写真:全国高体連サッカー専門部記録部/高校サッカー年鑑

 第101回全国高校サッカー選手権大会の応援リーダーに、横浜FCの元日本代表MF中村俊輔が就任することが決まった。

 自身も桐光学園高時代に選手権出場の経験があり、今回のオファーを受けた時、俊輔は「純粋に嬉しかった。すぐに『やらせて頂きたい』」と即決したという。

 俊輔にとっての高校サッカーは「『自分の宝物』みたいなものを作れた」と語る。

「練習をすれば絶対に伸びる、という感覚を持てたのが高校時代でした。高校3年間は本当に大きかったと思います。高校サッカーを経て、プロになれて、海外にも行けて、日本代表でもプレーできましたし、今考えると、高校サッカー、高校生活は、そうなるためのしっかりした土台、しかも揺るがない頑丈な土台ができた場所ですね」

 今回、俊輔を応援リーダーに起用した理由について、日本テレビスポーツ局の山下剛司プロデューサーは次のように明かす。

「中村俊輔選手は、スコットランドリーグMVPや2回のJリーグMVPといった数々の記録や、欧州チャンピオンズリーグ・マンチェスターU戦での直接フリーキックのゴールなどの人々の記憶に残るプレーが印象的ですが、決して順風満帆なサッカー人生を歩んできたわけではないと感じています。

 中村選手から高校生に向けたメッセージには、『うまくいっている時ほど 自分の足元を見つめ、うまくいかない時は 壁を乗りこえようとする力が糧になる』という言葉があります。ユース昇格が叶わなかったり、W杯メンバーの落選を経験したり、多くの苦難を乗り越え、それを糧にして中村選手は成長、進化を続け、ヨーロッパで大きな飛躍を遂げました。

 今大会の高校3年生は、コロナ発生以降に入学した年代になりますが、コロナ禍の苦境の中で努力を続ける高校生のみなさんの目標として、中村選手こそ適任だと思い、今回、応援リーダーを務めて頂くことになりました」
 
 第101回大会の番組キャッチフレーズは、無限を表す「∞」を含んだ「NEXT1∞(ネクスト100)」だ。

「全国高校サッカー選手権大会は、100回大会を終えて、次の100年、新たな時代へと突入していきます。44歳を迎えた今季も現役として『限界無く』進化を続ける中村選手を目標にして、『無限の可能性』を秘める高校生たちが光り輝くように、101回大会の放送・配信に取り組んでいきたいと思います」(山下プロデューサー)

 高校サッカーの大舞台で、若きフットボーラーたちがどんなプレーを見せてくれるか、今から待ち遠しい。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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