【川崎】楢崎「まんまとやられた」、闘莉王「川崎は何枚も上」。ハリルの前でハットトリックの大久保が3年連続得点王へ邁進

2015年09月19日

J1通算152ゴールまで伸ばし、歴代3位のマルキーニョス(神戸)に並ぶ。

ハットトリックを達成した大久保。得点直後に指を3本立てるパフォーマンスを見せた。(C) SOCCER DIGEST

 日本代表のハリルホジッチ監督が視察するなか、その瞬間が訪れたのは45分だった。
 
 センターサークル付近のFKをクイックスタートすると、いち早く体勢を整えていた大久保はボールを受けるや否や素早くターンする。マークに付いていた闘莉王は一歩出遅れ、エリアの外から右足を振り抜くと、「思い切り打ちました」というシュートはゴール右隅に突き刺さり、大久保は「J1通算150ゴール」を達成した。
 
 後半にも2ゴールを積み重ねてハットトリックを達成し、J1通算152ゴールで歴代3位のマルキーニョス(神戸)に並んだ。また、今季19ゴールで得点ランキングトップに浮上(2位の宇佐美が18ゴール、3位のドウグラスが15ゴール)。3年連続の得点王も視界に捉える。
 
 完敗した名古屋の楢崎は「なにも抵抗できなくて残念。こういう試合でも救えるようにやってきたけど、今日はまったくだったので申し訳ない。ウチのDFが川崎のFWと同数で守るなか、間を通させないように、バイタルを使わせないように、守備の連動・集中などが必要だったけど、すべてが甘かった。まんまとやられた」と振り返る。
 
 一方、闘莉王も「本当に今日はナラさん(楢崎)に申し訳ない。正直なところ恥ずかしい。ボールにプレッシャーがかからない限りはサッカーにならない。自分もくさびのところに行かないと3点目(大久保のゴール)のようにやられるし、そこで(寄せに)行かないとパスを捌かれて裏に出される。今日の川崎は何枚も上の気がした」と反省を口にした。
 
「(闘莉王とは)同じ年代で一緒にやれるのは、やっぱり楽しい」と笑顔を覗かせた大久保は、快勝の要因をこう語る。
 
「みんなが受けようという意識があったし、パスを出すという意識もあった。ああいう展開になれば自分たちのペース。良い時のフロンターレは(自分の2点目のような)ああいう崩しがあったし、これまでも同じような崩しはあったけど、最後のところが合わなかった。今日、中野は(自分へのアシストが)初めてだったけど、俺に怒られるというプレッシャーがあったなかで、俺よりもあいつのほうがホッとしたんじゃないですか」
 
 3年連続の得点王へ――。周囲の期待が高まるなか、その話を振られた大久保は「まだ6試合あるので」とお茶を濁した。しかし、昨年の得点王争いを「レベルが低かった」とバッサリ切り捨てた男だけに、最終節が終わる瞬間まで貪欲にゴールを狙い続けるだろう。そして、代表復帰の時を雌伏して待っている。
 
取材・文:大木 勇(サッカーダイジェスト編集部)
 
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