【セルジオ越後】宮市はワンパターン、細谷は孤立。中国相手に相馬は良かったけど、勝てなければヒーローになれないよ

2022年07月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

6月のブラジル戦を思い出した

宮市は自慢のスピードを活かそうとしたけど、ワンパターンだったね。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 E-1選手権の第2戦で中国と対戦した日本は、0-0で引き分けた。

 中国は、守ってカウンターでチャンスがあればいいというゲームプランだった。U-23主体の若いチームということもあって、ボール際で元気よく激しくプレーできていたね。しっかりとしたチームになっていて、運動量が多くフィジカルも強かった。

 それでも、日本とは大きなレベルの差があったから、中国の守りを崩しきらないといけなかった。前半は、右サイドの宮市がスピードを活かそうとしたけど、ワンパターン。左サイドは突破力がなく攻撃が機能せず、真ん中の細谷は孤立していたね。

 後半もチャンスは多く、セットプレーもたくさんあった。でも、ミドルシュートが少なく、ペナルティエリアに真ん中からよりも外からボールを入れようとする。余裕を持って攻めることができなかったね。途中出場の相馬は良いプレーをしていたけど、勝てなければヒーローにはなれないよ。
 
 6月の日本対ブラジル戦を思い出した。あの時の日本が今日の中国で、ブラジルがこの試合の日本。あの試合でのブラジルも日本の激しさに苦戦した。でも、今日の日本はブラジルにはなり切れなかったね。

 代表初出場の選手が多かったけど、今大会の目的は勝つことであって、選手を見るためではない。韓国戦を意識し過ぎてメンバーを選んでしまったのかもしれない。今大会を若手の育成と位置付けて臨んだならば、初出場の選手が多くてもいい。でも、優勝しなければならない大会だよ。

 日本代表は"3チーム目"になると力が落ちると感じた。海外組を中心としたメンバー、今大会で韓国戦に臨むようなメンバー、その次のメンバーとなると層の薄さが見えてしまうということではないか。この議論は、もっとするべきだと思う。

 最終戦は優勝が懸かった韓国戦。今大会は韓国戦がすべてと言っていいくらい大事な試合。勝たなければならない。韓国は引き分けでも優勝できるけど、引いて守ってくることはないと思う。ガチンコの戦いで、森保ジャパンはどう対抗するか見物だよ。

【著者プロフィール】
セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、76歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。

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