静学出身の名古、日藤出身の田場をはじめ期待の1年生たちが躍動!
国士舘大で2試合連続スタメン出場中の田場。日大藤沢に所属した昨年度は選手権で名を上げて見せた。写真:安藤隆人
関東大学リーグ13節。西が丘サッカー場で行なわれた順天堂大対中央大、専修大対国士館大の2試合は、いずれも期待のルーキーたちが躍動してみせた。
第1試合では順天堂大の1年生FW名古新太郎が、キレのある動きを披露した。同じ静岡学園高の先輩であるMF長谷川竜也、米田隼也と息のあったコンビプレーを披露し、相手のマークを混乱させると、得意のドリブルで果敢に仕掛け、バイタルエリアを活性化させた。3-0で迎えた53分には、左サイドでFW松島奨真(桐生一高出身)のパスを受けると、鮮やかなコントロールショットを叩き込んで、4点目を挙げた。
名古は昨年度の選手権でも、高い個の打開力を見せた。3回戦の東福岡戦では、テクニカルなドリブルと裏への飛び出しで優勝候補を揺さぶり、2点目のゴールを挙げて勝利に貢献するなど、インパクトを与えた。
そして今春、順天堂大に進学すると、能力の高いアタッカーが揃うなか、その高い打開力は攻撃のアクセントとして期待され、今回それに応える活躍を見せた。名古にとって、これがリーグ初ゴール。勢いに乗った1年生アタッカーの今後の躍動に期待がかかる。
第2試合では国士館大のスタメンに3人もの1年生が名を連ねた。開幕からレギュラーとして活躍するMF大石竜平(清水桜が丘高出身)、的確な状況判断力を持つMF諸岡裕人(正智深谷高出身)、そして、昨年度の選手権でベスト4入りを果たした日大藤沢のエースストライカー・田場ディエゴである。
田場は初先発となった11節の慶應義塾大戦で、リーグ初ゴールを挙げ、2試合連続のスタメン(※12節は9月22日開催)となった。
前半はこう着状態を打開できず、スコアレスの展開が続いたが、後半に入り試合を動かしたのは、国士舘大ではなく、専修大のルーキーだった。麻布大附属高時代にチームをインターハイに導いているMF中山克広が、61分に投入されると、「前半は両ウイングバックの上がりを引き出せていなかったので、自分が入ったら中に絞ってボールを受けながら、裏を狙うことで、(右ウイングバックの)飯田(貴敬、野洲高出身)さんをもっと使ってもらおうと思った」と語ったように、中央の高い位置で起点を作り、サイドのスペースを空けたことで、サイド攻撃が有効活用できるようになった。すると76分に左からのクロスのこぼれ球に反応し、先制弾を挙げて均衡を崩す。
第1試合では順天堂大の1年生FW名古新太郎が、キレのある動きを披露した。同じ静岡学園高の先輩であるMF長谷川竜也、米田隼也と息のあったコンビプレーを披露し、相手のマークを混乱させると、得意のドリブルで果敢に仕掛け、バイタルエリアを活性化させた。3-0で迎えた53分には、左サイドでFW松島奨真(桐生一高出身)のパスを受けると、鮮やかなコントロールショットを叩き込んで、4点目を挙げた。
名古は昨年度の選手権でも、高い個の打開力を見せた。3回戦の東福岡戦では、テクニカルなドリブルと裏への飛び出しで優勝候補を揺さぶり、2点目のゴールを挙げて勝利に貢献するなど、インパクトを与えた。
そして今春、順天堂大に進学すると、能力の高いアタッカーが揃うなか、その高い打開力は攻撃のアクセントとして期待され、今回それに応える活躍を見せた。名古にとって、これがリーグ初ゴール。勢いに乗った1年生アタッカーの今後の躍動に期待がかかる。
第2試合では国士館大のスタメンに3人もの1年生が名を連ねた。開幕からレギュラーとして活躍するMF大石竜平(清水桜が丘高出身)、的確な状況判断力を持つMF諸岡裕人(正智深谷高出身)、そして、昨年度の選手権でベスト4入りを果たした日大藤沢のエースストライカー・田場ディエゴである。
田場は初先発となった11節の慶應義塾大戦で、リーグ初ゴールを挙げ、2試合連続のスタメン(※12節は9月22日開催)となった。
前半はこう着状態を打開できず、スコアレスの展開が続いたが、後半に入り試合を動かしたのは、国士舘大ではなく、専修大のルーキーだった。麻布大附属高時代にチームをインターハイに導いているMF中山克広が、61分に投入されると、「前半は両ウイングバックの上がりを引き出せていなかったので、自分が入ったら中に絞ってボールを受けながら、裏を狙うことで、(右ウイングバックの)飯田(貴敬、野洲高出身)さんをもっと使ってもらおうと思った」と語ったように、中央の高い位置で起点を作り、サイドのスペースを空けたことで、サイド攻撃が有効活用できるようになった。すると76分に左からのクロスのこぼれ球に反応し、先制弾を挙げて均衡を崩す。
だが、これで国士館大のルーキーに火をつけた。田場は62分にベンチに退いたが、最後までピッチに立っていた大石と諸岡が、個性を発揮した。大石はドリブルで果敢に仕掛けて、相手の守備に歪みを作り出すと、80分には右サイドを突破したFW松本孝平(藤沢清流高出身)の折り返しに対し、猛然とゴール前にダッシュ。ダイレクトで蹴り込んで、同点弾を挙げた。
1年生が作り出した試合のうねりは、終了間際にも大きな動きをもたらした。90分に専修大MFの小口大貴(川崎U-18出身)が鮮やかなミドルシュートを叩き込めば、国士舘大は90+2分に左サイドを突破したMF荒木翔(日本航空高出身)のセンタリングを、松本が気迫のヘッドで叩き込み、2-2。試合はそのまま終了し、熱戦はドローで決着した。
2試合とも1年生が試合を動かした。今年も頼もしきルーキーが続々と大学サッカーの道に進んだ。「田場とは高校時代に同じ神奈川で何度も対戦した。彼も僕と同じドリブラーなので、試合前から相当意識をしていた」と中山が語れば、田場も「僕は今季、新人賞を狙って国士舘に入ったのに、大石が開幕からスタメンで、しかもゴールも先に決めて、悔しかったし、素直に喜べなかった」と語る。
お互いが意識をし合って、しのぎを削る。そこには1年生だからという甘えはない。彼らの台頭はチームだけでなく、大学サッカー自体を盛り上げる。この日の2試合からは、彼らの強烈な「決意表明」が感じられた。
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
1年生が作り出した試合のうねりは、終了間際にも大きな動きをもたらした。90分に専修大MFの小口大貴(川崎U-18出身)が鮮やかなミドルシュートを叩き込めば、国士舘大は90+2分に左サイドを突破したMF荒木翔(日本航空高出身)のセンタリングを、松本が気迫のヘッドで叩き込み、2-2。試合はそのまま終了し、熱戦はドローで決着した。
2試合とも1年生が試合を動かした。今年も頼もしきルーキーが続々と大学サッカーの道に進んだ。「田場とは高校時代に同じ神奈川で何度も対戦した。彼も僕と同じドリブラーなので、試合前から相当意識をしていた」と中山が語れば、田場も「僕は今季、新人賞を狙って国士舘に入ったのに、大石が開幕からスタメンで、しかもゴールも先に決めて、悔しかったし、素直に喜べなかった」と語る。
お互いが意識をし合って、しのぎを削る。そこには1年生だからという甘えはない。彼らの台頭はチームだけでなく、大学サッカー自体を盛り上げる。この日の2試合からは、彼らの強烈な「決意表明」が感じられた。
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)