中断明け5戦無敗の浦和。ゴールラッシュでチームに自信を与えたFC東京戦、得点力アップの要因は?

2022年07月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

攻撃に厚みが生まれチャンスが増加

FC東京に3-0の快勝を収めた浦和。中断明けから5戦無敗と好調を維持している。 (C) SOCCER DIGEST

[J1第21節] 浦和3-0FC東京/7月10日/埼玉スタジアム2002

 浦和レッズは7月10日、J1リーグ第21節でFC東京と対戦し、3-0で勝利した。そのゴール数だけでなく、シーズン前半戦で課題となっていた攻撃の厚みが生まれてきたことがゴールラッシュやチャンスの増加につながっている。

 浦和は今季、両サイドに独力での突破を持ち味とするサイドアタッカーが増えた。それにより縦への迫力を増す期待感を与えたが、後ろの押し上げが間に合わない状態でも仕掛けていくことで攻撃は単発になり、またアタッカーたちの単独突破を相手にケアされると攻撃は手詰まりになった。

 その結果、得点力不足で、失点が少ないにもかかわらずに勝ち切れない状況が続いた。特に岩尾憲や小泉佳穂、江坂任といった攻撃で変化をつける能力のある選手たちは、機能性の低いチームの状態に危機感を示すコメントを残していた。
 
 チームは6月のインターナショナル・マッチウィークの間に攻撃の連携を重点的に確認。中断明けの5試合を3勝2分と無敗できている。そして、この5試合で特筆すべきは、無得点で終わったゲームがひとつもないということだろう。中断前の16試合で8試合が無得点だったことを見れば、大きな進歩がある。

 得点力が改善された要因として、攻撃の仕上げの局面でペナルティエリア内に3人から4人が入り込める状態ができていることが挙げられる。

 今回のFC東京戦で言えば、31分の先制ゴールは敵陣でボールを奪い取って素早く完結させた攻撃だったが、松尾佑介がラストパスを出す瞬間には岩尾、小泉、ダヴィド・モーベルグの3人がゴール前へ。ニアの小泉、マイナスのボールに岩尾、ファーにモーベルグと入る位置も分かれ、最後はモーベルグが決めた。

 また、70分の3点目の場面もモーベルグと江坂の連携から、ラストパスを大久保智明が決めたが、ほかにも伊藤敦樹と明本考浩もペナルティエリア内に侵入して合計5人が相手ゴール前まで入り込んだ。こうした場面はシーズン前半戦にはなかなか見られなかった部分だ。
 

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