【浦和】なぜか決まらない高木俊幸の近くて遠い移籍後初ゴール。“14度目の正直”なるか?

2015年08月28日 Jリーグ

「これだけ外しまくっているけど、プレーの部分で評価してくれていることはすごく嬉しい」

日々、浦和のスタイルにフィットしてきていると手応えを得る高木。初ゴールは間違いなく近い。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 今季清水から浦和に移籍した高木俊幸だが、これまで13試合に出場しながらノーゴールと苦しんでいる。8月29日の第2ステージ9節・横浜戦では"14試合目の正直"となる浦和での初ゴールを狙う一方、「これだけ外しまくっているけど、(ペトロヴィッチ監督は)プレーの部分でも評価してくれていると思う。すごく嬉しいので、得点のところのみならず期待に応えたい」と抱負を語る。
 
 第2ステージ序盤戦は3-4-2-1のシャドーのレギュラーポジションを掴んだ。しかし、第2ステージ3節・広島戦で、自らのファウルを受けて得たPKのキッカーを務めたものの、GK林にセーブされてしまう。
 
 しかもチームは1-2で敗れ、開幕から続いた無敗記録が19試合でストップしてしまった。
 
 さらに6節の新潟戦では関根のクロスに対し、ゴール前に詰めていた高木がヒールで合わす技ありのショットを放ち、ボールは無人のゴールへ。しかし、ここでも女神が悪戯心を働かせ、ボールは無情にもポストを叩いて枠の外へ転がって行った……。
 
 いずれもあとほんの数センチずれていれば決まっていた、というなんとも惜しい場面だった。
 
 高木はその他にも何度も決定的なチャンスを作り出している。裏を返せば、そういった絶好機に絡めるポジションに、しっかり顔を出せているとも言えるのだ。
 
 実際、23日の中央大との練習試合では、先制点を含めハットトリックを達成(浦和が8-1で勝利)。コンディションは良い。
 
 きっと浦和での初ゴールは近い。とはいえ、高木はそこ(ゴールが奪えるか、奪えないか)だけに固執するつもりはない。
 
 最近は復調した梅崎が再びレギュラーの座を掴み、高木は2試合続けて出場機会がない。それでも第2ステージは開幕からすべての試合で必ずベンチに入っている。ペトロヴィッチ監督は「活躍して日本代表に選ばれた武藤に、トシも続ける」と語る。
 
 浦和のスタイルのなかで、ドリブルやボールを引き出す動きなど、高木も自身の特長を出せてきているという手応えを得ているのだ。
 
「これだけ外しまくっているけど、期待してくれていることは分かる。ゴールよりも、プレーの部分で評価してくれていると思う。それは、すごく嬉しい。だからこそ得点のところのみならず期待に応えたい」
 
 日々の練習のなかで、個人としても、チームとしても、自信が生まれつつある。
 
「もう練習のスピードにも慣れ、もたつくことはなくなった。前線のコンビネーションを意識しながらプレーしていても、だいぶ周りが見られるようになってきた。
 
 ゴール前で、そのあたりの判断、冷静さを保てている。ボールをさばく時はさばけている。しっかり走り、ハードワークをして、今いいサッカーをできているので、みんなでサボらず力を発揮できれば負けることはない」
 
 淡々と語るなかにも、「強気」が感じられる。それは充実している証であり、そしてポジション奪取への渇望であるだろう。
 
「練習試合はあったものの、公式戦には最近出ていない。使われている選手より疲労の蓄積はなく、フレッシュな状態にあるので、チャンスをもらえれば結果を残したい」
 
 横浜戦のあとには、ナビスコカップ準々決勝の新潟戦が9月2日と6日にある。前線はズラタンと興梠がA代表の遠征に参戦するため、今の調子を保てば高木も出場機会を掴めるはずだ。
 
 高木にとって鍵を握る、リーグとナビスコカップの連戦を迎える。
 
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