【韓国メディアの視点】現地専門誌記者がG大阪に警告「全北の攻撃力は城南やソウルとは次元が違う」

2015年08月25日 慎武宏

元FC東京のエドゥーを引き抜かれた影響で調子はやや下降気味だが……。

G大阪は8月26日に全北現代とのACL準々決勝第1戦に臨む。左MFでのプレーが続く宇佐美だが、大一番での起用法に注目が集まる。(C) SOCCER DIGEST

 いよいよ始まるアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の準々決勝。全北現代はKリーグ勢唯一の8強進出チームとしてG大阪との対決(※8月26日に全州で第1戦)に臨むが、国内での直近3試合では今ひとつ調子が上がらない。
 
 8月15日には浦項スティーラーズに0-3の敗戦を喫し、同19日の全南ドラゴンズ戦は2-1で勝利したものの先制点を許した。同22日にはリーグ戦6位の仁川ユナイテッドにも0-1で敗れている。今季も国内リーグ首位を独走し連覇確実とされる常勝軍団の突然の低調ぶりに、「ACL目前に慌しい全北」(スポーツ紙『スポーツ・ソウル』)とメディアもやきもきしている状況だ。
 
 サッカー専門誌『FourFourTwo KOREA』のホン・ジェミン記者も言う。
「攻撃的な全北に対し、対戦相手は守備に徹してカウンターを狙ってくる。その術中にハマッてしまうのが最近の不調の原因だが、夏場にあったチーム状況の変化も無関係ではないだろう」
 
 夏の移籍市場が解禁となった7月、全北は今季から加入した元FC東京のエドゥーを中国2部リーグの河北华夏に引き抜かれた。見返りとして40億ウォン(約4億円)以上の移籍金が入ったとの噂だが、今季14得点・3アシストを記録してKリーグ得点王ランキング首位を走っていたエドゥーが抜けた穴は簡単には埋まらない。
 
 代わって、アスレチック・ビルバオでのプレー経験もある190センチのスペイン人FWウルコ・ベラ、韓国代表でカタール・リーグでプレーしていたイ・グノ、08年~12年まで全北に所属したあとUEAに渡ったブラジル人MFルイスを補強したが、イ・グノは4試合・1得点、ルイスは5試合・1得点・1アシスト、ベラは3試合無得点に止まっている。
「まだ1か月なので当然だが、補強した選手がまだチームにフィットしていない」(ホン・ジェミン記者)という。
 
「ただ、この戦力補強もACL制覇を意識してのこと。全北は今季、なにがなんでもACL決勝進出がノルマになっている。そのために母体企業のヒュンダイ自動車も多額の支援を惜しまない。
 
 一説には選手補強費だけで300億ウォンは使ったとも言われているし、選手もチェ・ガンヒ監督もACLタイトルへの意欲が強い。すでに国内リーグは独走状態にあるので気の緩みもあったのだろうが、ACLは必死の覚悟で挑むだろう」(ホン・ジェミン記者)。

次ページ個の爆発力はあるが、試合のリズムを作る選手の不在が懸念材料。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事