ウクライナ名門シャフタール、難民支援を目的としたチャリティツアー開始を報告「この狂気を終わらせて、普通の生活に…」

2022年04月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

ロシア軍の空爆を受けた都市名をユニホームに刻む

シャフタールがチャリティツアーを開始。収益はすべて寄付に回すという。(C)Getty Images

 現地時間4月9日、ウクライナ1部の名門クラブ、シャフタール・ドネツクが、政府支援のもと「グローバルツアーフォーピース」を開始したことを発表した。

 ロシアによる軍事的侵攻を受けているウクライナでは、2月から国内リーグが停止している。代表チームの活動もままならないため、カタール・ワールドカップの出場権をかけたプレーオフも延期されている。

 名門シャフタールはクラブのSNSを通じて全世界に国内の状況を発信し続けている。そんななか、政府の支援を受け、避難しているウクライナの難民支援を目的としたツアーが計画され、実施されたというわけだ。

 ギリシャ1部のオリンピアコスとの対戦を皮切りに、トルコ1部のフェネルバフチェ、ポーランド1部のレヒア・グダニスク、クロアチア1部のハイドゥク・スプリトとのチャリティーマッチが計画されている。
 
 初戦のオリンピアコス戦は0-1で敗戦したが、スタジアムでは試合前に黙とうが行なわれ、選手たちは、ロシア軍の爆撃を受けたマウリポリなどの都市名が入ったユニホームを着用して試合に臨んだ。

 さらに、両チーム側の配慮として、スタンドの一角には、ロシア軍の空爆で亡くなったとされる176人の子どもへの追悼の意味を込め、同数分のおもちゃやぬいぐるみが飾られた。英公共放送『BBC』によれば、一部のサポーターから反発があったものの、観客は5000人集まったという。
【画像】ロシア軍の空爆で亡くなったとされる176人の子どもたちへの追悼を込め、おもちゃやぬいぐるみが飾られた
 シャフタールのクリスチャン・カレンプSDは「我々はサッカーを平和のための手法として使用している。さらに、今回の戦争に対する関心を高めるため、このツアーを催行できることを誇りに思っている」と述べた。

 また、ゼネラルマネージャーのセルゲイ・バルキン氏も「我々は今回のツアーで、ウクライナの戦争と平和について語っていきたい。この狂気を終わらせて、普通の生活に戻り、国を再建する必要を訴えたい」と語ったという。

 ツアーは5月1日まで行なわれる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【動画&写真】シャフタールが公開した試合の様子、そして国内の惨状

次ページ【動画&写真】シャフタールが公開した試合の様子、そして国内の惨状

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事