「いまでも誹謗中傷を受ける」トッティにレッドで物議のモレノ主審、02年W杯の韓国対イタリアを回顧!“後悔している判定”を明かす「韓国の選手を退場に…」

2022年04月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

「トッティはシミュレーションだった」

韓国対イタリア戦でのジャッジで物議を醸したモレノ主審(左端)。(C)Getty Images

 2002年日韓ワールドカップの決勝トーナメント1回戦、韓国対イタリア(2-1)で"疑惑の笛"を吹いたバイロン・モレノ氏が、そのいわくつきの試合を振り返った。イタリア紙『Gazzetta dello Sport』で語った内容を、『Football Italia』が伝えている。

「この間ずっと、いまだにイタリアのファンからSNSで誹謗中傷を受けている」と明かしたモレノ氏は、「VARが導入される前のあの時点では、審判は一瞬で判断してジャッジをしなければならなかった。私の判断があの試合の結果に影響を与えなかったと確信している」と自信を持って話している。

 いくつかあった"疑惑の判定"の中で大論争となったのが、イタリアのMFフランチェスコ・トッティを退場させた判定だった。1-1で迎えた延長戦で、ペナルティエリア内で倒れた10番に対し、シミュレーションで2枚目のイエローカードを出し、レッドカードを掲げたのだ。

「トッティのレッドカードは最も批判された事件のひとつだったが、ビデオを見ると、韓国の選手が最初にボールを保持している。イタリア人(トッティ)はシミュレーションでつまずき、転倒した。そのため、彼は2枚目のイエローカードを受けた。ルールではシミュレーションではイエローが出される。私はルールを尊重した」

【画像】モレノ主審がレッドカード!その時のトッティの表情は…
 このシーンについてそう回顧すると、「トッティは抗議すらしなかった。不平を言ったのはクリスティアン・ヴィエリとアンジェロ・ディ・リービオだ。選手はカードに抗議しない場合、自分が間違っていたことを分かっているんだ。それが、レッドカードを見たときのトッティの態度だった」と続けている。

 ただ、後悔している判定もあるという。

「ファン・ソンホンが72分にジャンルカ・ザンブロッタを倒し、(ザンブロッタは)怪我のために退場させられた。それが私が何年にも渡って反省した唯一のことだ。戻ることができるならば、韓国の選手にレッドカードを出しただろう」

 エクアドル人の元レフェリーは「私も人間だ。当時はタックルの激しさを誤解していた。これだけは言えるのは、私は特定のチームを有利にしたり、不利にしたりしようとはしていない」と語っている。

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