「正直不安だ」英国人記者が森保ジャパンの“懸念材料”に挙げた選手は?「日本はチャンスを創出するプレーヤーは多い。だが…」

2022年03月28日 スティーブ・マッケンジー

まるでイタリアのディフェンダーのようだった

オーストラリアを下した日本の戦いぶりを英国人記者はどう見た?写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 日本代表がオーストラリアに勝って、カタール・ワールドカップ出場を決めた。

 個人的には、日本のオーストラリア戦にいい印象がなかった。とくにティム・ケイヒルにはよくやられていたが、その彼はもういない。どちらが力が上かは明らかだった。

 日本は今アジア予選で珍しく苦しみ、ファンをやきもきさせたかもしれない。ただ、この日は完全に勝利に値するパフォーマンスを見せた。アウェーで、しかも雨が降りしきるなか、困難な環境であったかもしれないが、その中で快適なサッカーを見せていたのは印象的だった。

 日本のチャンスは数え切れないほどあった。だが、イングランドでプレーする南野拓実がことごとく決めきれない。一度でもネットを揺らしていれば称賛に値したが、無得点に終わった。この日は致命傷にならなかったが、ワールドカップではこれほどチャンスは巡ってこない。この決定力では、正直不安だ。

 決定的な役割を果たしたのは、その南野と交代で入った三笘薫だった。2ゴールを挙げた彼は大きな違いを生み出した。逆に言えば、なぜ彼をもっと早く投入して、活用しなかったのかと思ってしまう。

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 守備では、吉田麻也がとても落ち着いていて、まるでイタリアのディフェンダーのようだった。そのイタリアでプレーしている彼の堅実なディフェンスはさすがだ。

 日本の課題は、やはり「本物のストライカー」がいないことだろう。上手さを感じる選手は少なくないが、それは必ずしも必要ない。当然と言えば当然だが、もっとゴールを決められる選手が必要だ。

 例えば、ハリー・ケインやロビー・ファウラーのような選手は、多くのタスクをこなしているわけではないが、ゴールを決めてくれる。いくらチャンスを作り出しても、フィニッシュする選手がいなければ、水の泡だ。日本がW杯で勝ち進むためには、この点を強化する必要がある。オーストラリア戦を見て、改めてそう感じた。

 日本にはチャンスを創出できる選手がたくさんいる。必要なのはフィニッシャーだ。この課題を改善できるかが、本大会で躍進できるかの鍵となるだろう。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

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