「空想に終わりそうだ」豪州代表の大逆転でのW杯予選突破に母国メディアは冷ややか…34歳の帰化選手初招集には「現状の深刻さを表わしている」

2022年03月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

プレーオフへ回ることはもはや既成事実であるかのように…

2位以内確保に向けて崖っぷちに立たされているオーストラリア代表。(C)Getty Images

 カタール・ワールドカップのアジア最終予選のグループB、2位の日本代表は3月24日に敵地で3位のオーストラリア代表と対戦する。

 両チームの勝点差は3で、日本はこのアウェーマッチに勝てば7回連続の本大会出場が決まる。それは同時に、オーストラリアがアジアプレーオフに回ることを意味するが、このグループA3位チームとの対戦で勝っても、さらに6月には南米予選5位チームとの大陸間プレーオフが待ち受けており、カタールの道はより長く、険しいものとなる。

 ゆえにオーストラリアも、日本、そして最終節(3月29日)の首位サウジアラビア相手に連勝を飾ってプレーオフ行きを免れたいところだが、決戦を前に、主力選手が次々に怪我やコロナ陽性で招集不可となるなど危機的状態にあり、さらにグラハム・アーノルド監督はコロナ陽性による自宅隔離中に外出して自国サッカー協会から罰金を科されるという不祥事も、ネガティブなムードに拍車をかけてしまっている。

 最終予選の序盤は連勝記録を創るなど好調だったが、4節で日本に1-2で敗れて勢いが止まると、サウジとホームでのスコアレスドロー、さらに中国とオマーンにも1-1で引き分けという取りこぼしで、厳しい状況に追い込まれたオーストラリア。国内では、もはや諦めムードが漂っていると、英国の日刊紙『The Guardian』のオーストラリア版が報じた。

「W杯予選でのハリウッド映画のようなエンディングは、枯渇したサッカー界にとっては空想に終わりそうだ」と題した記事で、「『サッカルーズ』が、多くの困難を乗り越えてアジアで最も強力な2チームを下せば、ここ数十年で最も記憶に残る成果となるものの、アーノルド監督がこの空想的な仮説を現実に変えるという意見を支持する者を見つけるのは難しい」と綴った。

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 中国、オマーンと引き分けて以降は、すでに国内のムードは最終予選の残り2試合に勝つことよりも、プレーオフ進出に向いており、アジアプレーオフを勝ち抜き、南米勢との一発勝負にいかに勝つかに主眼が置かれつつあるという。

 また、前線の駒不足にも同メディアは言及し、34歳のウルグアイからの帰化選手であるブルーノ・フォルナローリが初招集されたことがその象徴的なものであり、アーノルド監督が有するこれまでのFWのオプションよりも、このベテランが有用であるのは、「オーストラリア・サッカー界の現状の深刻さを示している」と指摘した。

「サッカールーズの"最終章"は今後数か月で書かれることとなる。その内容や結末がどのようなものとなるかは、不明のままである」と記事は締められており、ここでもプレーオフへ回ることはもはや既成事実であるかのように綴られている。

 日本も複数の主力選手が欠場することが決まっており、オーストラリアにも十分に付け入る隙はあるはずだが、果たしてスタジアム・オーストラリア(シドニー)での決戦では、どのような戦いが展開されるのだろうか。そして、いかなる結末となるのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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