威勢が良い22歳FW。「湘南の新エース」になる可能性を秘めている

2022年03月13日 岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

攻守に渡って相手の脅威になり続けた

京都戦で貴重な同点ゴールを決めた町野修斗。「湘南の新エース」になれる可能性を秘めている。写真:金子拓弥

[J1リーグ4節]湘南1-1京都/3月12日(土)/レモンガススタジアム平塚
 
 試合後の会見で京都の曺貴裁監督が「見ている人に楽しんでもらえるような試合になった」と語ったように、湘南対京都の一戦は球際が激しい好ゲームだった。
 
 多くの選手が持ち味を発揮するなか、特に際立ったパフォーマンスを披露していたのが、湘南のFW町野修斗だ。71分、ペナルティエリア手前で杉岡大暉から横パスを受けると、ゴール方向へのコントロールから、左足に持ち替え見事なシュートを決めた。「トラップがすべてだった」と自ら振り返った貴重な同点弾は、ファーストタッチからフィニッシュまで実にスムーズだった。
 
 好調ぶりを感じさせたのは得点シーンだけではない。空中戦に強いうえにボールタッチも繊細で、前線からのプレスでも相手のアンカーへのパスコースを巧みに消していた。78分には田中聡のスルーパスに反応して裏へ抜け出し、対峙した京都の麻田将吾のファールを誘って退場に追いやっている。
 
 開幕から町野は尻上がりに調子を上げている。開幕節の柏戦では前半に退場者を出して数的不利のなかで後半に投入され、最前線で身体を張って奮闘。続く2節の鳥栖戦では劣勢の展開のなか、途中出場から同点ゴールを挙げた。そして3節の浦和戦では持ち前のキープ力で輝きを放っている。
 
 チームは今季ここまで2分2敗と未勝利。ただ、町野によれば「オフ明けにキャンプからやってきたことを再確認した」ようで、実際に京都戦では労を惜しまぬプレッシングやリスク覚悟で球際に強く飛び込む姿など、随所に湘南らしさを見せていた。復調の兆しはある。

 今後のポイントは「相手に関係なく、自分たちがどうアクションを起こせるか」と言う町野は、その「アクション」の最大の牽引車となり得るプレーヤーだろう。ブレイクへの足掛かりをつかんだ22歳FWは、「湘南の新エース」になる可能性を秘めている。とにもかくにも、今の町野はそれほど威勢が良い。
 
取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事