少年少女が憧れる存在に。1対1で驚異的な強さを誇る37歳の札幌守護神・菅野孝憲は絶賛進化中

2022年03月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

勝点獲得に対しての貢献度ではナンバーワン

札幌のゴールマウスを守る菅野。37歳となった今も進化を続けている。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ4節]札幌1-1横浜/3月12日(土)/札幌ドーム

 試合後、札幌のペトロヴィッチ監督が「アップテンポで、攻撃的なチームがぶつかり合う好ゲームだった」と言えば、横浜のケヴィン・マスカット監督も「エキサイティングなゲームが見られた」と振り返る。アタッキングスタイルのチームが真正面からぶつかり合った一戦は、ラストプレーでドローとなる劇的なゲームとなった。

 リードしながらも追いつかれ、開幕から4引き分けとなってしまった札幌。どの試合も接戦で、ちょっとしたことで結果が変わっていたかもしれない試合が続いているということだ。そんななかで勝点1を積み続けていることをポジティブに捉えるべきだろう。

 そして、攻撃的なスタイルを標榜するチームがなかなか勝ちきれない一方で、負けてもいない大きな要因としては37歳のベテランGK菅野孝憲の活躍が挙げられる。この横浜戦でも30分に相手のアンデルソン・ロペスが至近距離から放ったシュートをシャットアウトしているのをはじめ、好守を何度も見せていた。

 クロスボールへの対応にも安定感があったし、ビルドアップ時のつなぐ、蹴るの判断の迅速さはさすがだった。前節のアビスパ福岡戦を思い出しても、PKをキャッチするというスーパーセーブでチームを救っていた。

 今季だけでなく、昨季も含めて菅野のプレーぶりはものすごい。フィールドプレーヤーたちが思い切って前方に飛び出していけるのも、この守護神がいるからだろう。なかでも特筆すべきは1対1での驚異的な強さだ。ここ1~2シーズンに関していえば、ほぼすべて封じているのではないだろうか? と思うほどにシャットアウトしている。

 これについて菅野は次のように説明する。

「一昨季途中にチームがマンツーマンディフェンスの戦術を採用するようになってから、1対1のピンチになる場面が増えるだろうということで、赤池(保幸)コーチや他のGK陣とともに1対1の場面を徹底してトレーニングしてきた。その成果が出ているのだと思う」
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 俊敏性があり、至近距離からのシュートストップ力のあるGKという印象はかねてよりあったが、それがより鍛え上げられ、さらに強固なものへと進化している最中ということだ。

 もちろんJリーグには他にもハイレベルなGKがいるが、ここ最近で言えば、この菅野のパフォーマンスは突出しているように思うし、勝点獲得に対しての貢献度ではナンバーワンなのではないだろうか。そう強く感じている。

 そして、あまりにも驚異的なシュートストップを披露する菅野のプレーぶりを見て、GKのポジションに憧れる少年少女も増えているのではないだろうか。そうしたことも思ってしまうほどに菅野のプレーぶりは素晴らしい。

取材・文●斉藤宏則(フリーライター)

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