『日本のサッカーは野球みたいだ』堂安律が明かす、欧州サッカーとの違い「ボールを奪ったらゆっくり1回裏の攻撃に…」

2022年03月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

「19、20くらいのときにヨーロッパのコーチに言われた」

オランダの名門PSVで活躍する堂安が、オンラインイベントで貴重な体験談を語った。(C)Mutsu FOTOGRAFIA

 元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)が設立した会員制オンラインクラブ「ALLSTARS CLUB」。その初期メンバーに名を連ねている日本代表MF堂安律(PSV)が3月8日、同クラブのオンラインイベントに出席し、貴重な体験談を語った。

 23歳のレフティは、15年にガンバ大阪でプロキャリアをスタートさせ、17-18シーズンにフローニンヘンに移籍。海外初挑戦ながら1年目からリーグ戦で9ゴールを挙げるなど結果を残すと、19-20シーズンには同じオランダの名門、PSVに活躍の場を移した。

 その後、昨シーズンは欧州5大リーグの一角、ブンデスリーガのビーレフェルトで武者修行を経験し、今シーズンからは再びPSVでプレー。アヤックスに次いで2位の同クラブで、ここまで17試合に出場し、5ゴールをマークしている。

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 若くして海外で多くの経験を積む堂安は、日本と欧州のサッカーの違いについて、「スピード感」だと指摘。「パススピード、カウンターの速さ、頭の回転の速さ。やっぱりヨーロッパのほうが圧倒的に速いなと感じる」と言い、「19、20くらいのときにヨーロッパのコーチに言われた」という、こんな象徴的な言葉を明かした。

「『日本のサッカーは野球みたいだ』って。1回表と裏があって、守備してボールを奪ったらゆっくり1回裏の攻撃に移っていくみたいな。ポゼッションしながら。『ただ、ヨーロッパはそうじゃない。そんな切り替えている時間もないし、ボールを奪ったときにはすぐにゴール前に向かっていくサッカーが必要だから、その感覚を変えろ』みたいなことを言われた」

 しかし、全ての部分で劣っているわけではない。「日本のサッカーのほうが優れているものはすごいある」とも言う。
 
「技術に関しては日本人のほうが上手と思うことがすごい多いし、チームのために犠牲心を払える選手も多い。やっぱり海外の選手はエゴが強い分、『自分自分』ってなるけど、日本人の選手はチームのために走れて、身体を張れて、チームを助けられる選手が多いので、その辺は日本が優れている」

 一方で、一口に欧州と言っても、オランダとドイツでもピッチ内外で明確な違いがあるようだ。

「チームメイトと仲良くなる方法も違う。オランダ人は陽気ですごいフレンドリーで、ロッカーに入れば音楽ガンガンで誰かが踊っているみたいな国柄の人たちが多いけど、ドイツは結構日本人と似ている。ビジネスに集中しがちな選手たちが多いので、サッカーという意味で仕事に来ている人たちは、ロッカーに来て淡々と着替えて、淡々とジムでトレーニングして、練習で自分がやれることをやって帰るみたいな。

 サッカーの文化での違いは、やっぱりオランダはステップアップのクラブで、育成のリーグなので、チームで勝つというよりも、個人を伸ばすという監督とかコーチが多いイメージ。ドイツは5大リーグのひとつだし、勝ちに飢えているので、『勝つのが全てだ』という感じ。サッカー観の違いは感じた」

 また、PSVで仲の良い選手にも言及。「仲の良さにも色々あって、真剣なサッカーの話を向き合ってできる仲とか、常に笑い合ってジョークを言い合う仲」があると前置きしたうえで、後者のひとりとして、同じタイミングで加入、期限付き移籍、復帰したポルトガル代表FWブルーマの名を挙げている。

「本当に陽気でずっとへらへらして、『ヘーイ、リツ』って言ってくるんで仲の良い選手のうちのひとり。試合や一緒に絡んでいるところを見たら分かると思うが、彼と喋っているときは常に僕はへらへらしていると思うので注目して見てほしい」

 タフな環境で揉まれ、すでに代表でも22キャップを数える堂安。今年はカタール・ワールドカップも控えるなかで、若きリーダーの活躍に期待が高まる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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