「ロシアの行動を心から拒否」プレミアリーグが週末の試合で“異例”の取り組みを発表「私たちは平和を求める」

2022年03月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ウクライナへの支持を表明する」

3月1日のバーンリー対レスター戦で電光掲示板に表示されたウクライナへの支持。(C)Getty Images

 現地時間2月23日にロシアがウクライナに対する軍事的侵攻を開始した件は、フットボール界にも大きな影響を与えている。

 欧州サッカー連盟(UEFA)は、5月に開催予定だったチャンピオンズ・リーグ決勝の開催地をロシアのサンクトペテルブルクからフランスのパリに変更。さらにはカタール・ワールドカップからの予選にもロシア代表の参加を認めないことを発表し、同代表チームのW杯出場は不可能となった。国際サッカー連盟(FIFA)もウクライナへの支持を表明し、ロシア代表およびクラブチームの国際試合も禁じられ、事実上は世界の舞台から"追放"されている。

 そんななか、英プレミアリーグでは異例の措置が取られている。先週末に行なわれた各リーグ戦では、ウクライナの国旗掲揚が認められ、黄色と青の横断幕や、「NO WAR」といったメッセージの掲示が認められた。本来であれば、ピッチ内外での政治的メッセージと解釈される発信を禁じているが、同リーグを運営するフットボール・アソシエーション(FA)は「今回の事態はそれに限らず、ウクライナへの連帯を示すことは禁じられていない」とコメントしていた。
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 そして、運営側のFAはさらなる方針を発表した。今週末の試合では、クラブではなく、リーグ主体で「ウクライナとの連帯を示す」という。

 発表された内容によれば、「プレミアリーグと我々のクラブは、ロシアの行動を心から拒否し、今週末に開催されるすべての試合でウクライナの人々への支援を表明する予定だ。我々は平和を求め、影響を受けたすべての人々に想いを寄せている」と綴られている。
 
 具体的には、現地3月5日から7日に開催されるプレミアリーグの全試合で、各クラブで行なわれている様々な支援活動に加え、「20クラブのキャプテンはウクライナカラーの特別な腕章を着用する」「ファンは各試合のキックオフ前に、選手、監督、マッチコミッショナー、クラブスタッフとともに連帯の時間を持つことを奨励する」といった内容だ。

 また、スタジアムの大型スクリーンにはウクライナの国旗の青と黄色を背景に「Football Stands Together」と映し出されるほか、この言葉は試合中、ピッチ周囲のLEDボードにも表示されるという。

「この連帯のメッセージは、プレミアリーグのデジタルチャンネルでも掲示され、世界中のファンの目に触れることになる。プラットフォームのロゴとプロフィールはウクライナの国旗の色に変更され、イングランドおよび海外の試合中継でも表示される」

 ウクライナ代表の選手も在籍するプレミアリーグ、そしてサポーターの姿勢は平和を願う姿勢で一貫している。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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