【岩本輝雄】“川崎ボックス”の中に遠藤が鎮座。サウジ戦の勝因は彼ら5人の安定感だ

2022年02月01日 岩本輝雄

真ん中のゾーンが相手を監視して分厚い壁に

守田(左)や田中(17番)ら川崎4人衆に、遠藤(6番)を加えた中央の5人の安定感は素晴らしかった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 サウジ戦は完勝だったね。前のコラムで予想したとおり、南野が点を決めて日本がリードを奪う。そして後半の早い時間帯に伊東が追加点。伊東は南野の得点もアシストすれば、守備でも奮闘。攻守両面で絶大な存在感を示していた。

 少なからず批判の声が聞こえてくる長友に関しても、今日の出来は及第点以上だったんじゃないかな。逆境をパワーに変えて、アグレッシブに闘っていたと思う。

 サウジもさすがにグループ首位を走るだけに、良いチームだった。中盤のつなぎもスムーズだったし、日本が一瞬でも隙を見せたらやられる、という雰囲気があった。

 でも、そうはならなかった。ピンチらしいピンチは限られていたのは、中央の5人が堅かったから。CBの谷口と板倉、アンカーの遠藤、インサイドハーフの守田と田中。この真ん中のゾーンがしっかりと相手を監視して、分厚い壁となっていた。

 安定感があるし、距離感も良い。特に、新旧フロンターレ組の4人は、さすがの連係を見せていた。彼らは相手の外し方も上手いし、ボールもテンポ良く動かせる。この"川崎ボックス"の中で、遠藤がどんと構える。いつも言っていることだけど、後ろが安定していないと、攻撃もままならない。サウジを相手に、吉田、冨安という主力2人の不在を感じさせないパフォーマンスは素晴らしかった。
 
 距離感という意味では、気になったのは前線かな。4-3-3のシステムで、CFの大迫にボールが入った時に、孤立してしまう場面が少なくなかった。これが4-2-3-1なら、トップ下がいるからスッと大迫に近寄れるけど、たとえば左ウイングの南野にしても、中に絞る動きにセンスがあるとはいえ、距離があるからサポートがどうしても遅くなってしまう。

 攻撃面を考えれば、トップ下がいたほうがいいかもしれない。一方で守備面を考えれば、今の中盤3枚の安定感は捨てがたい……。難しいところだけど、そこは今後の課題だとして、とにかく日本はサウジに勝って、これで5連勝を達成。このままの勢いで、最後まで勝ち続けてほしいね。

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