「スパイじゃないのか!」伝説の名将ファーガソンのブチギレ話を元マンUコーチが告白「どうしようもないぐらいに怒られた」

2021年12月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

「本当にどうしようもないぐらいに怒られた」

ヘアドライヤーの異名を持っていたファーガソン。そんな名将の秘蔵エピソードが明かされた。(C)Getty Images

 その強権ぶりは、味方をもおののかせた。マンチェスター・ユナイテッドの黄金時代を築いたアレックス・ファーガソンである。

 彼を名将とたらしめるのは、やはり"レッドデビルズ"(マンチェスター・Uの愛称)での辣腕ぶりだ。1986年11月、当時低迷していたチームの監督に就任すると、規律を重んじた独自のチーム作りで、瞬く間に常勝軍団へと変貌させた。

 一切の緩みも許さないマンマネジメントを発揮したファーガソンは、その振る舞いが敵味方関係なく恐れられもした。少しでも不満に抱く出来事があれば、公然の場でも顔を紅潮させて激怒する。そんな姿は一部で「ヘアドライヤー」とも評された。

 そんなファーガソンの"ブチギレ"エピソードはさまざまに存在するが、新たに興味深い話が、関係者から明かされた。証言したのは、かつてマンチェスター・UでGKコーチを務めていたイングランド人のエリック・スティール氏だ。

 英メディア『Sportbible』の取材に応じたスティール氏は、ファーガソンに知人のGKコーチを会わせようとした際の出来事を赤裸々に語った。

「ある時、私はオーストラリア代表のGKコーチを務めていたトニー・フランケンをファギーに会わせようと思って、木曜日の練習後に晩御飯を食べようという約束をしたんだ。当日にも私は監督の元にいって、『監督、今日は知り合いを紹介させてもらうよ。練習を視察してから意見交換をして、晩御飯に行こう』と確認したよ。礼儀だからね。彼も『分かった』と言っていた」
 
 しかし、いざフランケン氏がトレーニングを視察しようとすると、ファーガソンは「おい! あいつは誰だ!」とスティール氏を呼びつけ、「ここに入れるんじゃない! スパイじゃないのか」と怒鳴り散らしたというのだ。

 このとき、「『監督、私の客です! 説明したじゃないですか』と言っても全く相手にされなかった」というスティール氏は、こう続けた。

「本当にどうしようもないぐらいに怒られた。よく彼は『ヘアドライヤー』なんて言われているけど、あの瞬間だけは、『巨大な爆弾』のようだった。本当にそれぐらい怒られたんだ。私は首の皮一枚だけぐらいの状態だったね。そんな私を見て、リオ・ファーディナンドは爆笑してたぐらいだ。

 監督は客が来ることを忘れていたんだよ。それでスパイだと思ったんだ。仕方がないからフランケンには、食堂で待つように言うしかなかった。あとで事情を説明したら監督は『申し訳ないことをした』と親切に対応してくれたけど、それまでは地獄の時間だった」

 ファーガソンの徹底したチーム管理を象徴するようなエピソードだ。しかし、怒られた本人からすれば、たまったものではなかっただろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【PHOTO】現地番記者が選ぶ「過去20年のマンU・レジェンドTOP10」を厳選ショットで振り返り!
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事