【セルジオ越後】ウズベク戦は財政難の協会に必要な興行マッチ。最終予選への強化や調整にはならないよ

2021年12月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

新たに序列を崩す選手が出てきてもおかしくないと言うけれど…

今季Jリーグで得点王を獲得した前田は前回招集されるもベンチ外に。今回こそ出番はある!? 写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 来年の1月21日に行なわれるキリンチャレンジカップのウズベキスタン戦に臨むメンバーが12日7日に早くも発表された。この試合は国際Aマッチデーに組まれる試合ではないから、海外組は不在で国内組オンリーの選出となった。
 
 世間では、この試合はワールドカップ最終予選に向けた強化試合と捉えられているようだけど、実際はどうかな。ここから1月27日の中国戦、2月1日のサウジアラビア戦に臨むメンバーに何人が残るのか。おそらく、不動のメンバー以外は、ほぼ残ることはないだろう。森保監督も新たに序列を崩す選手が出てきてもおかしくないとは言うけど、結果を出さなくても使われる選手がいる以上、どんなに活躍してもそれは無理だよ。前回選出された国内組メンバーにしても、久保くんが怪我から復帰したし、中島も復調してきたから、今度も選ばれるとは限らないだろうしね。

 すると、このウズベキスタン戦は何のためにやるのか。僕には、スポンサーに向けた興行としか受け取れないよ。はっきり言って、チームとしての活動はこの1試合こっきりで、次への継続性がないし、不動のメンバーたちのコンディションを上げるために叩き台としてやるにしても、オフ明けで怪我のリスクもあるなか、強度の高い試合ができるのか。本番となる最終予選の前に怪我をしてしまったら、元も子もない。

 レベルアップを図る強化としても、コンディション調整としても中途半端。大事な主力選手を預けるクラブとしても、怪我せずに帰って来いよと思うばかりだろう。

 だけど、財政難の協会にしてみれば、とにかくコロナ禍においてもスポンサーに対するノルマをこなさなければいけないし、何より代表戦をやって入場料で稼ぎたい目算もあるだろう。JFAハウスを売却するなんて噂も出ているなかで、お金が必要な協会にとってはできるだけ試合の数はこなしたいだろうからね。

 きっと、ウズベキスタン戦もメディアは「サバイバルだ」「最終予選への試金石だ」って煽るだろうけど、この試合は最終予選の流れとは別、無関係の興行試合と思っておいた方が、ファンは期待を裏切られないんじゃないかな。とにかく、本番に向けてケガ人が出ないことを祈るよ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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