【JYD × ニチバン】 次世代アスレティックトレーナー育成プロジェクト「サッカーメディカルキャンプ」レポート Vol.3

2021年12月02日 西森彰

10月30日、最終日の講義はJFAハウスで行なわれた。

修了式と記念撮影を終えても、名残惜しそうに、会場に残って話を続ける受講生たちの姿が印象的でした

JYD(JFA Youth & Development Programme)のオフィシャルパートナー、ニチバン株式会社と日本サッカー協会がタッグを組んで、次世代のアスレティックトレーナー育成に挑む「第2回SOCCER MEDICAL CAMP」は10月30日に最終日を迎えました。7時間以上におよぶ濃密な1日をレポートとするとともに、修了した受講生たちの声を届けます。
 

 今回初めての会場に集まってのリアルな講義。早く来た受講生同士が「顔も見ているし、声も知っているけれど不思議な気分」と挨拶を交わすなど、和やかな雰囲気でスタートしました。

 午後1時からプログラムがギッシリと詰まった1日は、ニチバン株式会社の辻泰輝氏のお話から。テーピング開発の歴史から製品上のこだわり、患部や目的に対する使い分けなどをわかりやすく解説しました。

 続いて実技へ。日本代表チームに帯同する日本屈指のトレーナー陣が、早く正確なテーピング技術を披露します。受講生同士が1対1で互いにテーピングを行なう中を回りながら、質問に回答していきました。

 その後、中野江利子氏による、なでしこジャパンに関する五輪報告。さらに続く影山雅永U-20代表監督の講義では、試合直前のアクシデントをリカバーしたトレーナー陣の英雄的エピソードが紹介されました。

 全日程を締めくくる修了式では、受講者がそれぞれキャンプで得たものをスピーチ。「日本を代表するアスレティックトレーナーを目指す」という声が多数挙がりました。
前田弘氏がひとりずつ言葉をかけて激励。現場に駆け付けたJYDアンバサダーの北澤豪氏が「ワールドカップ予選の韓国戦は、トレーナーの力で回復して戦えた」と現役時代のエピソードを披露し、その役割の重要性を訴えて、8日間のキャンプを締めくくりました。

 このキャンプの卒業生から、一流のアスレティックトレーナーが誕生することを期待してやみません。

■最終日(10月30日)
ニチバン株式会社 講義

「製品開発秘話や品質へのこだわりなど」
辻泰輝(ニチバン株式会社 国内事業本部 製品開発部)
 

テーピング実技講習 基礎編・応用編

日本代表でも活躍する前田弘氏、中野江利子氏、尾垣孝博氏など日本屈指のトレーナー陣が直接指導
 


東京五輪報告(女子代表)
中野江利子(日本サッカー協会)

求められるトレーナーの役割
影山雅永(U-20日本代表監督)
 

個人発表&修了式

《受講生たちの声》

畔木遼朗さん
「すべての授業が心に残ってますが、それぞれの分野のトップで活躍する方々が、それぞれ『自分もまだまだ勉強している途中』と口にされたことに衝撃を受けました。理論的な部分は、キャンプに参加していなくても見聞きする機会はあるかも知れませんが、現場に向かう姿勢などは、今回のキャンプに参加することで学ぶことができました」

結城光太さん
「ふだんの学校の授業で生じた疑問を、今回の各講義で専門の講師の方にぶつけて、教えてもらったことを現場でアウトプットするいい流れができました。
最終日の影山監督の『チームを第一に考えられる、優れた人間性が重要』というお話が強く印象に残りました。テーピング技術などを強みに、Jリーグ、日本代表を目指したいです」

黒川純花さん
「最初は、他競技出身(水泳)ということに引け目があり、質問もできませんでしたが、『こんな機会は二度とない。無駄にしたらもったいない』と開き直りました。今回、参加して学んだことを自分の中の大きな財産にして、どの競技でも助けを求める選手の力になれるトレーナーを目指したいと思います」

※10月30日の最終日は、緊急事態宣言解除後且つ感染者数も減少傾向となった状況なども鑑みた上での開催。当日は感染症予防対策を十分に行ないながら実施いたしました。
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