【第2ステージ展望】甲府編|足取りは順調も、腰を据えて戦うスタンスが重要

2015年07月04日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

【第1S総括】佐久間監督就任後のV字回復で、残留への希望を見出す。

堅守の再建で光明が差したチームは、前半戦を12で折り返した。一時は最下位を推移しただけに、劇的な回復と言える。写真:Getty Images

J1第1ステージは浦和の無敗優勝で幕を閉じたが、前半戦の17試合を全18チームはいかに戦ったのか?
 
『サッカーダイジェスト』の各チーム担当記者が、6月27日で最終節を迎えた第1ステージを振り返り総括するとともに、第2ステージに向けた各チームの動きと見どころを解説する。
 
――◆――◆――
 
ヴァンフォーレ甲府
第1S成績:12位 勝点:20 6勝2分9敗 12得点・22失点
 
ポイント1)第1ステージの出来を点数で表わすと?
 
60
 
 なにより見事だったのは佐久間監督就任後のV字回復だ。シーズン序盤は守備組織が崩壊したうえまともに攻撃の形を作れず、5節以降は最下位に甘んじた。攻守の不甲斐なさを見れば、残留への希望を見出すのも正直無理があったろう。これを受けてすぐさま監督交代へ動いたフロントの判断もさることながら、堅守の立て直しに着手した佐久間監督の判断は妥当だった。
 
 山本、土屋、津田のベテラン3人を最終ラインの軸に据えた12節以降、失点数はわずか2点と劇的に改善。守備のテコ入れが好循環を生み出したのは間違いないが、加えて、バレーの獲得もポイントだろう。
 
 この助っ人が、前線で基準点としての働きを示してから、チャンスの数は明らかに増加。決定力はもちろん、マークを引きつけ味方の攻撃力も活かしていた点も、浮上をもたらしたひとつの要因だったに違いない。
 
ポイント2)第1ステージのチームMVPは?
 
バレー
 
 怪我もあり加入後の試合でフル稼働できなかったが、得点嗅覚と懐の深さで、攻撃に違いを加えた点は特筆に値する。コンスタントに出場していれば、さらに得点を重ねていた可能性も感じさせた。
 
 
ポイント3)第2ステージでの巻き返しや台頭が期待される選手は?
 
堀米勇輝
 
 J2での武者修行を経て古巣に復帰した今季は、15節・横浜戦、17節・柏戦で同点弾を演出するなど、随所で貴重な働きを見せている。先発定着は果たせていないが、流れを変えるジョーカー役として、さらなる飛躍は期待できそうだ。

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