「いつでもゴールにアタックする」長谷部アビスパが掲げる理想のサッカーへの期待感

2021年10月31日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「そこを目指しながら、勝ちにこだわることが大事」

前節の札幌戦では3-4-2-1を採用し、「それなりにできた」と手応えを語る長谷部監督。次節の大分との九州ダービーでは、いかなる采配で勝利を目指すか。写真:塚本凛平(サッカーダイジェスト写真部)

 0-0のスコアレスドローで終わった前節の北海道コンサドーレ札幌戦で、アビスパ福岡は従来の4-4-2ではなく、3-4-2-1を採用した。

 長谷部茂利監督は「それなりにできたのではないか」と手応えを語る。オプションとしての可能性については、「これからもう少し積み上げて、高めていけば、使えると思います」と見ている。

 指揮官は、基本的には「ボールは持ちたい」と考えている。ただ札幌戦ではポゼッション率で上回ることはできなかった。その点をどう評価しているのか。

「自分たちがあまり上手ではないから、ボールを取ったあと、すぐ相手に持たれてしまう。違った側面で言うと、相手がボールを持っていても、我々の危ないエリアにボールが入ってこないときもある。(相手が)後ろでボールを回している時間帯もポゼッション率の時間に入っている。私からすると、そこはまったく数字に関係ないと思っています」

 たしかに"ボールは持ちたい"が、それは目的ではなく、あくまでも手段のひとつだ。

「自分たちでボールを握って攻撃をしたい。キープしたいのではなくて、ゴールを目指したい。そういうふうに考えています」

 相手ゴールに向かって、いかに効果的なアクションを起こせるか。その意味では、札幌戦はポゼッション率で下回るも、シュート本数は相手の倍以上を記録。"ゴールを目指す"アプローチでは福岡に軍配が上がる。

「早く攻めるときも、遅く攻めるときもあると思いますけど、自陣のエリア、ゴールに近いところでボールをずっと持っているよりは、いつでもゴールにアタックするよという、チャレンジするよという格好でボールを持つ、そういう形を取りたい。それが理想です」
 
 すでにJ1残留を決めている福岡だが、今季の目標は「勝点50以上、10位以内」だ。33節終了時点の成績は、13勝8分12敗で勝点47の8位。ミッション達成を目指す過程で、残り5試合はもちろん、続投が決まっている来季も長谷部監督が理想に掲げるサッカーの体現に期待がかかる。

「簡単ではないと思います。どこかの国の凄いクラブでさえも、それが難しいですよね。ただ、そこを目指しながら、勝点を積んでいく、勝ちにこだわることが大事。少しでも高まっていけば、もっともっといろんなことがうまくいく、効果的になる、みなさんに感動を届けられる、と思っています」

 まずは今季の"ラスト5"を力強く駆け抜けることができるか。11月3日に行なわれる次節はホームで大分トリニータと対戦。直近3試合は1分2敗と勝てていないだけに、久々の白星でラストスパートに弾みをつけたい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

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