【ルヴァンカップ】前日練習でのコントラスト。決勝を制すのは勢いに乗るC大阪か堅守の名古屋か?

2021年10月30日 本田健介(サッカーダイジェスト)

天皇杯での“前哨戦”ではC大阪が勝利

前日練習に臨んだ両チーム。果たしてタイトルを勝ち取るのは…⁉ 写真:塚本凜平(サッカーダイジェスト写真部)

 10月30日、埼玉スタジアム2002でルヴァンカップ決勝が開催される。

 今年はフィッカデンティ監督の下で堅守を武器にリーグカップではクラブ初の決勝進出を果たした名古屋と、8月末の小菊昭雄監督の就任で調子を取り戻し2017年以来となる2度目のルヴァンカップ制覇を目指すC大阪の対戦だ。

 大一番の前日、10月29日にはスタジアムで両チームの最終調整が行なわれ、ともに冒頭15分を公開。その雰囲気は対照的だった。

 C大阪の練習では、ムードメーカーの乾貴士と松田陸が我先にとピッチに現われ、声をかけながらチームを盛り立てる。公開された大半の時間はボール回しに当てられ、多くの選手の笑顔と笑い声が印象的な"らしい"光景が広がっていた。

「明るく、ただしっかりやる時はやる。昂りはあったと思いますが、集中して、戦闘モードに入っていたと思います」

 チームの様子を語るのは小菊監督である。
 
 C大阪が賑やかさを見せた一方、フィッカデンティ監督が就任して約2年、"自分たちのやってきたことを信じるだけ"と言うように、静かに闘志を燃やしているように映ったのが名古屋である。公開された時間ではボールを使わずにストレッチやランニングを中心に身体を温めた。選手たちはリラックスした表情を浮かべつつ、内なる決意を抱いていた印象である。

 チームはACLの準々決勝を韓国で戦い(浦項に0-3で敗れた)、19日に帰国。その後、2週間はいわゆる"バブル"に入る隔離生活を強いられており、決勝戦もその期間内で行なわれる。過密日程を含め、コンディション面がやや心配される状況と言えるだろう。

 もっとも長期離脱中の丸山祐市に代わってキャプテンマークを巻く中谷進之介は「名古屋らしい戦い方は、決勝に合っていると思います」と自信を覗かせた。

 10月27日の"前哨戦"となった天皇杯準々決勝でのゲームでは、メンバーを入れ替えたC大阪がセットプレーを生かし、3-0と名古屋に快勝。勢いに乗って決勝戦へ臨むことだろう。

 対して名古屋もフィッカデンティ監督の下、戦い方は浸透しており、ブレずに大一番に挑めるはず。今季はリーグ新記録となる無失点時間(823分)、無失点試合数(19試合)を達成するなど、自慢の堅守は大一番でも武器になるだろう。なにより天皇杯でのリベンジにも燃えているはずである。

 互いのチームの雰囲気が伝わってきた前日練習を経て、意地がぶつかり合う決勝はどんなゲーム展開になるのか。それぞれの特長が多いに表われそうで、楽しみである。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)


【ルヴァン杯決勝前日練習PHOTO】緊張感のある雰囲気で行われた名古屋の前日練習!冒頭15分の厳選ショット!

【ルヴァン杯決勝前日練習PHOTO】リラックスしたムードで行われたC大阪の前日練習!冒頭15分の厳選ショット!
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