スポルティングの会長が大激怒! あわや19人が出場停止に…ポルトガルの名門でなにがあった?

2018年04月09日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

会長と選手間の関係は修復可能なのか…。

怒りが最高潮に達したデ・カルバリョ会長(左)と最悪の事態を防いだジェズス監督(右)。これを機にチームが一丸となり、16年ぶりとなる悲願のリーグ優勝を達成できるか。(C)Getty Images

 ポルトガルの名門スポルティングで内紛が勃発し、あわや主力選手19人が出場停止になりかねない事態が起きていた。アメリカ『ESPN』などが報じている。
 
 ことの発端は、4月5日に行なわれたヨーロッパリーグ準々決勝、第1レグのアトレティコ・マドリー戦。敵地に乗り込んだスポルティングは、0-2で敗れて4強進出に黄信号が灯った。
 
 この試合内容に不満を表わしたのが、スポルティング会長のブルーノ・デ・カルバリョだ。熱くなった会長は試合後、自身のフェイスブック上に個々の選手を批判する内容の投稿をしている。
 
 もっとも辛辣だったのが、失点に直結するミスを犯したCBのジェレミー・マテューとセバスティアン・コアテスに対してのもの。「彼らはアトレティコ攻撃陣のためにプレーしていた。したがって、うちのチームは9人で戦っていたことになる」。
 
 ほかにも、決定機を逃したウイングのジェウソン・マルチンスや、この試合で警告を受け、次戦出場停止となる左SBのファビオ・コエントラン、エースストライカーのバス・ドストにも苦言を呈した。
 
 すると翌日、19人の選手がインスタグラムに共同声明を投稿。「我々は、チームのために必死にプレーしているが、リーダーからの支援が欠けている」と、会長に対して反旗を翻したのだ。

 このメッセージに署名した選手のなかには、キャプテンのルイ・パトリシオやウィリアム・カルバリョなど、主力選手の多くが含まれていた。
 
 これに激怒したデ・カルバリョ会長は、フェイスブック上で「我慢の限界だ。このメッセージに署名した選手は、即刻出場停止にする」と、SNSを通して主力選手への処分を発表。事態は泥沼化の様相を呈していたが、間に入ったジョルジュ・ジェズス監督が会長と話し合った結果、なんとか選手の出場停止処分は取り下げられ、8日のパソス・フェレイラ戦は通常通りのチーム編成で臨めることになった。
 
 試合は、格下とはいえ2-0で無事に勝利を収め、公式戦の連敗を2でストップ。やり玉にあげられたコアテスとマテューもクリーンシート達成に貢献している。
 
 残り5試合で首位ベンフィカとの勝点差は6。まだ直接対決を残しているだけに、16シーズンぶりのリーグ優勝の可能性は十分に残されている。
 
 この騒動をきっかけに選手たちは一枚岩になれるのか。はたまた、会長との軋轢が尾を引いてしまうのか。シーズン最終盤のスポルティングの戦いぶりに注目だ。
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事