「ボールを単純に失わないように心掛けた」
[カタール・ワールドカップ・アジア最終予選]日本 1-0 中国/9月7日/ハリファインターナショナルスタジアム
試合のビジョンには空間軸と時間軸が存在する。空間軸はそれぞれの選手がポジションや役割、特徴に応じて備えており、味方と相手の位置や距離感などを察知しながら、その時にイメージするベストの選択をしようとする。
敵味方、22人の空間的なビジョンがオン・オフで絡み合って、ピッチ上の現象になっていくわけだが、時間軸を明確に意識しながら最適解を見出していこうとする選手は限られるように見える。ゲームコントロールと言われる役割を果たす選手たちは大なり小なりそうした意識や感覚を持っているはずだが、日本代表の柴崎岳はその分野におけるエキスパートと言える一人だ。
「チームをコントロールできたかどうかは個々人、いろんな人の価値観だったり見方があるので一概には言えない」
1-0とリードして迎えた後半の進め方に関して、柴崎はそう前置きしながら「個人的に意識してたのは、テンポが早すぎて起こりうるカウンターの応酬というか、そういった展開というのは避けたかった」と振り返った。
「自分にボールが入ったところで、落ち着けるところは落ち着いて展開を戻そうと思っていましたし、ボールを保持する時間を少しでも多く、長くできれば、相手の攻撃を食らうこともないので。そこは落ち着いてボールをあんまり単純に失わないように心掛ける部分が特に後半はありました」
前半は結果として40分に、伊東純也のクロスに大迫勇也が合わせた1点に終わったが、久保建英や大迫のポスト直撃弾など、5-3-2という慣れないシステムで自陣を固める中国から2、3点奪ってもおかしくない内容だった。それだけに後半の入りも早い時間帯に追加点をとチームの気持ちがはやるのは当然だ。
試合のビジョンには空間軸と時間軸が存在する。空間軸はそれぞれの選手がポジションや役割、特徴に応じて備えており、味方と相手の位置や距離感などを察知しながら、その時にイメージするベストの選択をしようとする。
敵味方、22人の空間的なビジョンがオン・オフで絡み合って、ピッチ上の現象になっていくわけだが、時間軸を明確に意識しながら最適解を見出していこうとする選手は限られるように見える。ゲームコントロールと言われる役割を果たす選手たちは大なり小なりそうした意識や感覚を持っているはずだが、日本代表の柴崎岳はその分野におけるエキスパートと言える一人だ。
「チームをコントロールできたかどうかは個々人、いろんな人の価値観だったり見方があるので一概には言えない」
1-0とリードして迎えた後半の進め方に関して、柴崎はそう前置きしながら「個人的に意識してたのは、テンポが早すぎて起こりうるカウンターの応酬というか、そういった展開というのは避けたかった」と振り返った。
「自分にボールが入ったところで、落ち着けるところは落ち着いて展開を戻そうと思っていましたし、ボールを保持する時間を少しでも多く、長くできれば、相手の攻撃を食らうこともないので。そこは落ち着いてボールをあんまり単純に失わないように心掛ける部分が特に後半はありました」
前半は結果として40分に、伊東純也のクロスに大迫勇也が合わせた1点に終わったが、久保建英や大迫のポスト直撃弾など、5-3-2という慣れないシステムで自陣を固める中国から2、3点奪ってもおかしくない内容だった。それだけに後半の入りも早い時間帯に追加点をとチームの気持ちがはやるのは当然だ。
しかし、後半の立ち上がりに古橋亨梧が負傷で原口元気に交代した直後、危険な予兆を告げるシーンがあった。トップ下の久保がボランチの高さまで下がってボールを持つと、大外を追い越す長友佑都にロングパスを送り込んだ。しかし、これが右サイドバックのジュー・チェンジェにカットされてしまう。
そこから中国は前半にほとんど見られなかった素早いパス回しで日本の即時プレスを回避し、バックパスを受けたGKヤン・ジュンリンが前線にフィード。冨安健洋がヘッドでクリアするも、これを拾ったワン・シェンチャオが右サイドに展開。そこからワン・ガンが縦に仕掛けてのクロスが長友の後ろ足に当たって、日本はなんとかコーナーに逃れた。
このシーン、実はゴール前には中国の選手が4人走り込んでおり、日本も冨安、吉田麻也、右サイドバックの室屋成に加えて柴崎が全力で戻り、何とか4対4にしていた状況で、しかもゾーン気味の対応になっていたため、クロスが誰かに合っていたら同点ゴールになっていた可能性が非常に高いシーンだったのだ。
後半の立ち上がりから中国は猛然とハイプレスをかけてきた訳ではないが、最終ラインを上げてコンパクトにしながら、ボールを持ったら前に攻撃人数をかけていた。その一方で日本はオマーン戦後、東から西に長距離移動してきているなかで、前半はほぼ休みなく、オマーン戦から見違えるような縦に速い攻撃を仕掛けて、ボールを失えば素早いプレスで即時奪回を続けていただけに、疲労が懸念されていた。
そこから中国は前半にほとんど見られなかった素早いパス回しで日本の即時プレスを回避し、バックパスを受けたGKヤン・ジュンリンが前線にフィード。冨安健洋がヘッドでクリアするも、これを拾ったワン・シェンチャオが右サイドに展開。そこからワン・ガンが縦に仕掛けてのクロスが長友の後ろ足に当たって、日本はなんとかコーナーに逃れた。
このシーン、実はゴール前には中国の選手が4人走り込んでおり、日本も冨安、吉田麻也、右サイドバックの室屋成に加えて柴崎が全力で戻り、何とか4対4にしていた状況で、しかもゾーン気味の対応になっていたため、クロスが誰かに合っていたら同点ゴールになっていた可能性が非常に高いシーンだったのだ。
後半の立ち上がりから中国は猛然とハイプレスをかけてきた訳ではないが、最終ラインを上げてコンパクトにしながら、ボールを持ったら前に攻撃人数をかけていた。その一方で日本はオマーン戦後、東から西に長距離移動してきているなかで、前半はほぼ休みなく、オマーン戦から見違えるような縦に速い攻撃を仕掛けて、ボールを失えば素早いプレスで即時奪回を続けていただけに、疲労が懸念されていた。