1921年９月10日に創立された日本サッカー協会が今年で設立100周年を迎える。それを記念して、元日本代表DFで現在は解説者としても活動する松木安太郎氏にオールタイム（1921～2021年）で日本代表の歴代最強ベスト11を選定してもらった。

「身近なところで観ていた選手を中心に考えました。読売クラブで一緒にやった与那城ジョージさんはスピード、テクニック、判断力のすべてが素晴らしかった。森保ジャパンの選手たちがやっているようなプレーを“40年前”に要求していましたから。現代表でも十分に通用していたんじゃないかな。なかでもパスのスピードと質は別格でしたね」

　「決して色褪せないテクニックとパス」がなにより印象深かったという松木氏だが、ベストプレーヤーには「咄嗟の判断が見事で、能力が総じて高い」あのMFを選んでいる。

「ベストプレーヤーはラモス。シュートを打とうとした瞬間に相手が飛び込んできてもそれを苦にせず、パスやドリブルに切り替えられる判断力は凄かった。読売クラブに加入した当初はＤＦだったけど、当時から“ＤＦが攻める重要性”を知っていましたね」

　中盤には他に、「FKの技術は歴代ナンバー１」の中村俊輔、「優れた技術と勝負強さを兼備」する遠藤保仁、「勝負へのこだわりが尋常ではなかった」中田をチョイス。そして１トップには「まさに無事之名馬」というカズを「敬意を払って選出」している。続けてDFラインの話になると、「僕の名前も入れたかったけど……」と言いながらも現代表で活躍する４人の名前を挙げた。

「最終ラインには僕の名前も入れたかったけど、選んだ４人には残念ながら及ばず（笑）。長友選手、冨安選手、吉田選手、酒井選手は海外経験している日本人ＤＦの中でも実力は高い。技術はもちろん、人間性、協調性なども十二分なこの４人は鉄板のユニットと言ってもいいんじゃないかな」
 

　最後尾を任せるのは川口。「負けず嫌いで精神的に相当タフ」という点を評価した。そして、監督は……。

「監督はカリスマ性があるジーコ。ここにも僕の名前を入れたかったけど、代表監督はやってないのでね（笑）」

　松木氏らしい、ユーモアに富んだ締め方である。

取材・文●白鳥和洋（サッカーダイジェスト編集部）

※サッカーダイジェスト７月８日号の原稿に加筆・修正したものを転載。