【三浦泰年の情熱地泰】多くの学びを得た欧州CL決勝。僕がMVPに選出したいのは――

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2021年06月03日

このゲームのMVPは皮肉でも嫌味でもなく、レフェリーだ

2度目の欧州制覇を果たしたチェルシー。マンチェスター・シティとのプレミア勢対決を制した。(C) Getty Images

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 夜中、イヤ朝方と言ったら良いのであろうか? 朝4時に目を覚ましてポルトガル・ポルトで行なわれた欧州チャンピオンズ・リーグをテレビで観戦した。

 結果はチェルシーが2回目の優勝。初めてチームを決勝まで引き上げたグアルディオラ監督のマンチェスター・シティは国内のプレミアリーグは圧倒的な強さで制していたものの、お互いがこの1試合に懸けた一戦ではチェルシーがプレミアリーグのリベンジを遂げ、幕を閉じた。

 サッカーの本気度を感じる試合。世界がコロナ禍の影響を受ける中、このファイナル(決勝)は観客を入れて行なわれた。

 彼らの動き、表情、プレーの質を見てもワールドカップ以上の本気度を感じた。

 心(メンタル)の部分と戦術(タクティクス)のレベルがどちらかに偏るのではなく、ともに非常に高いレベルであった。

 90分間プラス、アディッショナルタイムがあっという間に過ぎていき、「終わらないで~」と、もっと見ていたい……、そんな雰囲気であった。

 僕の気持ちはマンチェスター・シティよりで、初優勝とグアルディオラ監督の快挙に期待しながらテレビに被りついていただけに1-0というロースコアでなく、最後に奇跡が起こり、もうプラス30分間の延長戦を見せてほしいと願っていた。しかし……。

 だが、そう思わせるサッカーの魅力と、本物のプロのレベルが画面からヒシヒシと伝わって来た。

 そして、その試合をコントロールするレフェリーのレベルもまた、スーパーだった。

 試合後、「このゲームのMVPは?」と聞かれれば、僕は間違いなくレフェリーの名前を出すであろう。
 
 それは皮肉でも、嫌味でもなく、本当にこの難しい、プレミア同士の戦いを裁き、プレースピード、紙一重の接触、対人、駆け引きをしっかり見定めてジャッジしていた。激しい試合でありながら、過剰に荒れることなく、しっかり笛を吹き続けた。

 どのリーグでも言えるであろう。もし彼がリーグ全試合の笛を吹けば、誰もが納得する公平、平等なジャッジの元での結果と受け入れることが出来るのであろう。そう思わせるナイスレフェリングであった。

 もちろんハンドの疑惑的なシーンはあったが、本来のサッカーの原点であればVARは流れの中でチェックし、試合を止めないでレフェリーの生の目で判断していったことは、僕にとっては「サッカーはこうでなければ」と思える良いシーンであった。

 JリーグであればVARに時間をかけ過ぎで、レフェリーの判断ミスをVARで認める作業が露見し過ぎている。

 露骨な遅延行為にはイエローカードが出る競技だけに、止まる時間がそれほどなかったのも好印象。今回の主審アントニオ・マテウ・ラホズ氏は理想であった。
 
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