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なぜパンデミックが続くブラジルでコパ・アメリカを開催するのか? メッシやカバーニも糾弾した「馬鹿げた決定」の舞台裏【現地発】

カテゴリ:国際大会

リカルド・セティオン

2021年06月02日

南米2か国やイスラエルが手を挙げたが…

急転直下のブラジル開催にメッシも不満を漏らしたという。(C)Getty Images

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 5月30日の夜遅く、CONMBOL(南米サッカー連盟)は自身のSNSでこう発表した。

「コパ・アメリカ2021はブラジルで開催が決定。世界最古の国際大会が大陸全てを熱くする!」

 もともと今回のコパ・アメリカは、コロンビアとアルゼンチンで共同開催されるはずだった。しかし政情不安とコロナウイルスの流行から、まずは5月20日にコロンビアが開催地を返上。そして30日の昼にはアルゼンチン・サッカー協会もコロナを理由に開催は不可能であると通達した。

 CONMEBOLはどうにかアルゼンチンを説得しようとした。だが、アルゼンチンは現在全土がロックダウン中であり、4つの州も誘致を断ってきたため、内務省がとても開催できる状況ではないと判断し、返上を発表した。

 開催地を失って慌てたCONMEBOLは、急いでアメリカに打診した。しかしアメリカはせっかくパンデミックが下火になって来たところに、いまだ感染者の多い南米から人を入れたくないとこれを断った。

 エクアドルとベネズエラがやってもいいと名乗りを上げたが、CONMEBOLは政情が不安なこの2か国には開催する力がないと断った。候補に挙がったチリには、8試合以上は無理と拒絶された。
 
 その後、事情を知ったイスラエルがCONMEBOLにコパ・アメリカを彼らの国で開かないかと申し出てきた。イスラエルはコロナの流行はほとんどないし、ワクチン接種率も世界一だ。スタジアムは無料で貸し出し、ホテルも格安にするといい、普通に観客を入れ、関係者にはただでワクチンを提供するという好条件だった。だが、南米から飛行機で15時間も離れており、直行便もないということからCONMEBOLは別な可能性を模索した。

 そこで白羽の矢が立ったのがブラジルだった。前回(19年)のコパ・アメリカを開催しており、過去にはワールドカップやオリンピックも行なっている。10月にはU-17のW杯も開催予定だ。そしてなによりジャイル・ボルソナロ大統領は、コロナなど風邪の一種だと豪語してはばからない。

 5月30日の夜にCONMEBOLはブラジル・サッカー連盟のロジェリオ・カポクロ会長に電話をし、協力してもらえかと頼む。この会長はボルソナロ大統領に相談、その3分後にはブラジル開催が決定していた。ボルソナロは大のサッカーファンなのだ。こうして冒頭の発表に至ったのである。
 
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