下平前監督のサッカーを極端に変更することはなかった
J1リーグ第8節・サンフレッチェ広島戦の終了後、開幕から1分7敗という成績で下平隆宏監督を解任し、ユースチームの監督だった早川知伸氏を後任に据えた横浜FC。早川新体制にとって初陣となる敵地での第9節・サガン鳥栖戦では、どのような変化が見られたか、またそもそも今季の横浜FCはなぜ低迷しているのかをレポートする。
フォーメーションはボランチを2枚置くオーソドックスな4-4-2で、これは下平監督時代から慣れ親しんだもの。スタメンは数人を入れ替えた。不動のボランチだった手塚康平がベンチスタート。ボランチの定位置争いの序列は瀬古樹、安永玲央、手塚の3人が横一線になったか。また、これまで2試合のベンチスタートに留まった松浦拓弥を先発させたのは妥当で、その意義については後述する。
戦術的には下平前監督のサッカーを極端に変更することはなかった。ただ徹底的にこだわってきた、横浜FCの代名詞とも言えるゴールキック時の自陣ペナルティエリア深くからパスをつなぐポゼッションは、以前のように“なにがなんでもつなぐ”というのではなく、“チャンスがあればチャレンジする”といったところに落ち着いた。GK南雄太がロングボールを蹴りトップにあて、こぼれ球を拾ってチャンスを掴もうという意図もうかがえた。
また、3番手・4番手の選手が連動せずピンチを招くことが多かった前線からのプレスも、連動できないと察知するや深追いすることがなくなるなど改善の兆しが見られる。
以上のように下平前監督の戦術を継承しつつ、よりリスクの少ない戦い方へシフトした感の強い早川新監督の船出だったが、フタを開けてみれば0-3の完敗。しかし、どん底のチーム状態から、就任数日で結果を出せというのは酷というものだろう。
事実、この試合を含めた横浜FCの不振の原因は戦術以前の問題だ。それなりに勝点を取れていた昨季との決定的な違いは、チームの拠り所だったポゼッションの不発だろう。最終ラインと中盤のパス回しでミスを連発し、そこから失点を喫するシーンが続いている。
フォーメーションはボランチを2枚置くオーソドックスな4-4-2で、これは下平監督時代から慣れ親しんだもの。スタメンは数人を入れ替えた。不動のボランチだった手塚康平がベンチスタート。ボランチの定位置争いの序列は瀬古樹、安永玲央、手塚の3人が横一線になったか。また、これまで2試合のベンチスタートに留まった松浦拓弥を先発させたのは妥当で、その意義については後述する。
戦術的には下平前監督のサッカーを極端に変更することはなかった。ただ徹底的にこだわってきた、横浜FCの代名詞とも言えるゴールキック時の自陣ペナルティエリア深くからパスをつなぐポゼッションは、以前のように“なにがなんでもつなぐ”というのではなく、“チャンスがあればチャレンジする”といったところに落ち着いた。GK南雄太がロングボールを蹴りトップにあて、こぼれ球を拾ってチャンスを掴もうという意図もうかがえた。
また、3番手・4番手の選手が連動せずピンチを招くことが多かった前線からのプレスも、連動できないと察知するや深追いすることがなくなるなど改善の兆しが見られる。
以上のように下平前監督の戦術を継承しつつ、よりリスクの少ない戦い方へシフトした感の強い早川新監督の船出だったが、フタを開けてみれば0-3の完敗。しかし、どん底のチーム状態から、就任数日で結果を出せというのは酷というものだろう。
事実、この試合を含めた横浜FCの不振の原因は戦術以前の問題だ。それなりに勝点を取れていた昨季との決定的な違いは、チームの拠り所だったポゼッションの不発だろう。最終ラインと中盤のパス回しでミスを連発し、そこから失点を喫するシーンが続いている。
なぜ今季の横浜FCはボールを効果的に動かすことができないのか。ひとつは対戦相手に研究されたことが大きい。横浜FCと対戦するチームは前線に走力のある選手を揃え、激しくプレッシャーをかける。そうすればそれなりの確率で得点に直結するようなボールの奪い方ができるからだ。
もしプレスをかいくぐられたとしても、今度はボールには目もくれず自陣ゴールに近い選手から帰陣。ペナルティアリア付近を人数をかけて固めるチームが多く、事実、それによって横浜FCの攻撃は抑え込まれてきた。
もしプレスをかいくぐられたとしても、今度はボールには目もくれず自陣ゴールに近い選手から帰陣。ペナルティアリア付近を人数をかけて固めるチームが多く、事実、それによって横浜FCの攻撃は抑え込まれてきた。