2021年シーズンもいよいよ開幕し、各チームのスタイルが少しずつ見えてきたなか、サッカーダイジェストでは３人のレジェンド、楢﨑正剛氏、中村憲剛氏、佐藤寿人氏のスペシャル鼎談が実現!!　ディープに、時にゆるく、リーグの見どころを紹介してくれた。果たして独自の視点で解説してくれる注目ポイントとは――。笑いあり、発見ありの貴重なクロストークの後編をお届けしよう（インタビューは開幕戦直後に実施）。

※『サッカーダイジェスト』2021年３月25日号より一部修正、加筆、抜粋して転載。

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――名古屋は柿谷曜一朗選手、齋藤学選手ら豪華な補強を行ないました。

楢﨑　今年はＡＣＬを戦いますし、選手層を非常に厚くしましたよ。特にサイドアタッカーは今のチームの攻撃の生命線なので、そこを補強した。でも真ん中の核となる選手も大事で、そこのバランスかなと。

中村　２チームくらい作れそうな選手が揃っている。フィッカデンティ監督は昨年、スタメンを固定しがちだった印象ですが、どうマネジメントするかですかね。

楢﨑　そうそう、難しい舵取りだと思うけど、監督のマネジメント力は今年、鍵になりそうだよね。あとは新加入選手も多いから一致団結して戦えるか、そこかな。

中村　そういう意味でチームの雰囲気を作る千葉（和彦）くんが（新潟へ）移籍したのも影響があるのかなと個人的に思っていたんですが。

佐藤　千葉ちゃんはチームを盛り上げていましたからね。

楢﨑　うん、それと出場機会が限られるかもしれない選手たちがどうチームを支えるか。でもそれはどのチームでも同じことだよね。

佐藤　開幕戦で新戦力で先発したのは（柿谷）曜一朗だけでしたから。これからどういう形になるか。

楢﨑　それと守備でどれだけ頑張れるか。監督の要求は高いから。

佐藤　開幕戦で（サイドハーフの）相馬（勇紀）は相当に走っていた。あれがベースになりそうですよね。
 

――その他のチームはどうですか？

佐藤　点が取れるという面では上田綺世とエヴェラウドの２トップがいる鹿島かな。まだコロナの影響で来日できていない助っ人もいますし、戦力的に鹿島が川崎の最大の対抗馬かなと僕は感じます。開幕戦は敗れましたが、鹿島は例年、スタートがあまりよくない印象ですからね。ここから上がってくるのかなと。

中村　ザーゴ監督も２年目だしね。去年は軌道に乗るまで時間を要したけど、自身の考えと鹿島のやり方を融合させたのかなと。だから俺も色んなところの予想で鹿島を推している。やっぱりあの２トップは反則級。彼らへの配球が整備されれば勢いに乗りそう。ただ、だからこそ開幕戦で鹿島を破った清水も面白そうで。

――注目している選手はいますか？

佐藤　僕はここ２年、Ｊ２のジェフで戦ってきたので、Ｊ２からＪ１へ個人昇格した選手には注目しています。浦和でいえば栃木から行った明本（考浩）くん、琉球から行った小泉（佳穂）くん。僕もケンゴくんもそうですが、Ｊ２でしっかり結果を残せばＪ１でもやれると思うんです。ヴェルディから徳島に移籍した藤田（譲瑠チマ）くんも非常に面白い選手ですよね。

中村　開幕戦でも、それこそ普通にプレーしていたし、ここ数年、増えているよね。去年のＣ大阪の坂元（達裕←山形）くんとか。

佐藤　坂元くんも山形で素晴らしいプレーを見せていましたからね。

中村　Ｊ２→Ｊ１がトレンドになりつつはある。今、出た小泉くんは“ロドリゲスサッカー”に合いそうだし、テクニックは向上の余地があるけど、パスを受けようとする姿勢、運動量を含めて興味深い選手だなと。

佐藤　彼、両利きなんですよね。面白いタレントだと思います。

中村　あとは大卒１、２年目の選手。去年は（三笘）薫、ガンバの山本（悠樹）くんや、ほかにも多くのルーキーたちが頑張ったけど、五輪が今年、開催される予定なので、アピール合戦にも注目だなと。彼らには今後の日本サッカーを引っ張ってもらいたいし、一方で、さっきも話したようにベテランにもまだまだ負けていないというところを見せてもらいたい。そうやってリーグ戦が盛り上がってもらえれば良いですよね。