最大の誤算は、昨季チーム得点王(13ゴール)のふたり、ジュニオール・サントスとエリキのレンタル終了だ。つまり最大の注目は、後釜候補の新助っ人、エウベルとレオ・セアラの働きぶりになる。
昨季の主力メンバーがほぼ残留し、右サイドバック(SB)には東京五輪代表候補で、3バックにも対応できる岩田智輝を補充。ピンポイント補強で陣容を整えたが、他クラブから多くの実力者を引き抜いた昨季と比べれば、スケールダウンの感は否めない。興國高から迎え入れた樺山諒乃介、平井駿助、田川知樹、南拓都の高卒カルテットはポテンシャルは秘めているものの、即戦力として期待するのは早計だろう。
チーム力を大幅に引き上げるような新たな人材がいない以上、覇権奪還の肝は、現体制下で育んできたアタッキング・フットボールのバージョンアップしかない。その意味でも、エウベルとL・セアラの活躍は鍵を握るか。
最大の誤算はチーム得点王ふたりの離脱
■ポジション別戦力分析
FW
助っ人枠でエウベル、L・セアラを獲得も、頼れる得点源だったエリキ、J・サントスの退団は痛手。エース仲川の復活もポイントに。
MF
各ポジションにふたりのレギュラークラスを揃え、万全の態勢。マルチロールの大津が新天地を求めたが、影響はわずかな程度に留まる。
DF
放出はゼロで、岩田が加わりプラス査定。人材豊富な右SBでは熾烈な定位置争いが予想される一方、センターバックや左SBの序列に変化なし。
GK
昨季終盤に台頭したオビが、正守護神の座に就けるか。実績では上回る梶川、高丘も虎視眈々。中林、田川はさらなるアピールが必要。
監督
ACLでクラブ初の決勝トーナメント進出に導いた直後の昨年12月に続投が決定。今季も超攻撃的なサッカーで、タイトル奪取を目論む。
文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
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