ピピ(中井卓大)が先月12日にレアル・マドリーのトップチームの練習に参加した。これは重要な出来事だが、同時にそのコンテクストを理解する必要がある。まず当時インターナショナルウィークで12人の選手がチームを離れていたこと。こうした状況下で、ジネディーヌ・ジダン監督がカンテラから選手を呼ぶのは通例のことだ。カスティージャ、次にフベニールAがそのメインとなるが、ピピが所属するフベニールBから呼ばれることも珍しくはない。
人選はカンテラ部門の最高責任者であるマヌ・フェルナンデスの意向が大きく反映される。ジダンが必要なポジションを伝え、それに沿ってマヌ・フェルナンデスが候補となる選手を推薦。ジダンが許可するいう流れだ。言うまでもなく選手たちにとってはトップチームの監督にその実力をアピ―ルするまたとないチャンスだ。ただそれが即恒例化することはない。ピピの場合も、トップチームという頂きにたどり着くまでまだいくつものステップを駆け上がる必要がある。
いずれにせよ、この出来事は現在のクラブ内でのピピへの評価の高さを示すエピソードと捉えてもいいだろう。カンテラの関係者もこう語る。
「中断期間がプラスに作用したようだ。長年の課題だったフィジカル面で大きな進歩が見られる。2014年にマドリーに入団してから、テクニックは素晴らしいものを持っていた。ただフィジカルが弱く、球際で劣勢を強いられる場面が少なくなかった。でも徐々に改善されてきている。今も全体練習とは別に、個人でもトレーニングに取り組んでいる。プレシーズンでも周囲を驚かせるほどのプレーを見せていた。また一つステップを上がった」
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「中断期間がプラスに作用したようだ」
今後もこのフィジカル面をどれだけ向上できるかがピピのマドリーでのキャリア、ひいてはサッカー人生を左右することになるだろう。彼の本職はメディアプンタ(トップ下)だ。ただ現代サッカーでは特殊なポジションと化しており、ピピもマドリー入団以来、起用されたことがあるとはいえ、これからカテゴリーを上げていくには選択肢を増やすことは欠かせない。
別のチーム関係者は「ピピはインテリオール(インサイドハーフ)への適性がある。これからもフィジカルは改善していく必要があるが、向上心の強い青年だ。必ず適応できるはずだ」と評する。
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