10月４日に予定されていたセリエA第３節、ユベントス対ナポリの大一番は、後者が遠征に出発しなかったことで開催できなかった。

　そして14日、この試合を３-０でユベントスの不戦勝とし、ナポリには１ポイントの減点処分を科すことが発表された。ビッグマッチがまさかの没収試合となったことで、様々な反応が起きている。『Gazzetta dello Sport』紙など、イタリア各メディアが報じた。

　前節で対戦したジェノアに新型コロナウイルスのクラスターが発生し、自軍にも陽性者が出たことで、ナポリは地元保健局から移動を止められ、遠征に出発できなかった。

　だが、今回の裁決では、ナポリで最初に陽性者が判明した際に、イタリア・サッカー連盟のプロトコルに従って遠征に出発することが可能だったと判断。試合当日に保健局が命令として指示したときには、事実上遠征が不可能な状態にあったとして、ナポリを罰する決定が下された。
 

　ただ、ナポリがこのまま裁定を受け入れることはないだろう。クラブは同日、公式ツイッターで「ナポリはつねに規則と法を遵守する。法を強く信じつつ、自信をもって控訴の結果を待つ」と、控訴することを明かしている。

　実際、今回の裁定は“１審判決”であり、最終的に処分が下されるかどうかは、決まるまでに日数を要する見込みだ。

　そのため、Gazzetta dello Sport紙によれば、ナポリのサポーターからは「没収試合で勝たなければいけないのはピッチで勝てないから」といった主張に加え、「現時点では存在しないPKでヤツらの１-０。だが、始まったばかりだ。試合はまだとても長い」といった声も挙がっている。

　一方で、ナポリのサポーターはユーベのスポンサー会社「Socios.com」のツイートに立腹した。

　裁決を受け、同社は「２試合で勝点５、８得点３失点。悪くない」とツイートした。これはナポリが開幕２連勝した際、カリドゥ・クリバリが「２試合で勝点６、８得点無失点。悪くない」とツイートしたのを揶揄したものだ。

　さらに同社は、スマートフォンの天気を知らせる画像を加工し、ナポリの気温を「-1°」とした画像も投稿した。もちろん、１ポイント減点をからかったものだ。

『Corriere dello Sport』紙によると、ナポリのサポーターは同社のツイートに怒りを露にしているとのこと。ただ、同社は「（自グループに）ナポリも加われれば、アカウントはクビだ」と冗談を続けた。

【画像】批判を浴びているユーベのスポンサーが投稿した皮肉ツイート

　イタリアを代表する強豪２クラブを巡る騒動は、まだまだ終わらなさそうだ。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部