サッカー界に衝撃を与えた史上最高額となる２億2200万ユーロ（約288億6000万円）でのパリ・サンジェルマン電撃移籍から約２年半の時が過ぎ、ネイマールは再びブラウグラーナ（青とえんじの意。バルサの愛称）のユニホームに袖を通すかが注目されている。

　昨夏にもネイマール本人がバルセロナへの出戻りを懇願したとされながらも、最終的にパリSGが首を縦に振らなかったことで、暗礁に乗り上げていた世紀の復帰交渉は、今夏も小さくない話題だ。すでにアントワーヌ・グリエーズマンとの電撃トレードの噂も巷を賑わせている。

　新型コロナウイルスの影響によるクラブの財政悪化が指摘される中で、文字通りのビッグプロジェクトがいかに動いていくかは目が離せないところだ。一方で、練習のボイコットなど奔放なネイマールの言動に苦言を呈する人は少なくない。元ブラジル代表MFのジュニーニョ・ペルナンブカーノもその一人だ。

　現役時代にリーグ・アンの名門リヨンのリーグ７連覇に貢献した名手は、英紙『Guardian』のインタビューで、セレソンの後輩の去就について「彼は金のためにパリに移籍した。クラブも彼に全てを与えた、望むもの全てを、だ」と語った。

「だが、今のネイマールを見てくれ。契約が切れる前に退団したがっている。本来ならば、いまこそパリSGに対して恩返しをする時なんだよ。ギブアンドテイクさ。ネイマールはクラブのためにピッチ上で全身全霊を尽くす必要がある。完全なる献身と、責任感、リーダーシップを示すためにね」
 

　バルサ復帰を望んでいるとされるネイマールを皮肉ったジュニーニョ。“守銭奴”と批判されることへの問題点も指摘している。

「問題はブラジルの上位層には強欲という文化があることだ。常により多くの金を欲しがってしまうんだ。それは自分たちが教えられたことであり、学んだことでもある。だから、ネイマールが悪いのか、それともブラジル社会が悪いのか？これは単純に彼が学んだことだと思う。今の時点での彼は教えられたことをただやっているだけさ。

　だから、“選手としてのネイマール”と“人としてのネイマール”を区別する必要がある。選手としての彼は世界のトップ３に入る。クリスチアーノ・ロナウドとレオ・メッシと同じレベルさ。スピードがあって、タフで、得点もアシストもできる本物の10番だ。でも、人としてはダメだ。ギルティーだと思う」

　さらに「もっと自問自答して成長しなければいけない」とも語ったジュニーニョ。果たして、偉大な先達の言葉をネイマールはどう受け取るだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部