ザスパクサツ群馬の奈良知彦社長、前橋育英高の山田耕介監督、大津高の平岡和徳監督の3人が、書籍『「乾坤一擲」ザスパクサツ群馬社長・奈良知彦~人生最後の大勝負~』出版記念イベントでYouTubeでのトークショーに参加。高校サッカーの現状などについて語り合った。
元前橋商高の監督で、全国高校サッカー選手権は10回以上出場し、2度ベスト4に導いた奈良社長。40年近くに渡って前橋育英高を率い、17年度には全国選手権で日本一に輝いた山田監督。93年から大津高を指揮し、インターハイでベスト4に進出させるなど九州屈指の強豪校に育て上げた平岡監督。3人はいずれも、数々のJリーガーを輩出してきた高校サッカー界を代表する指導者だ。
そんな名伯楽たちは、トーク内で「Jリーガーに素質は何か」という質問にそれぞれ答えている。
かつて服部浩紀や大野敏隆らをプロ入りさせた奈良社長は「一番はそれぞれストロングポイントを必ず持っていること。そこを磨き上げていき、発揮できる選手」だと話す。
数々のJリーガーを輩出してきた高校サッカー界を代表する指導者3人
またプレー面以外を挙げたのが、松田直樹や細貝萌を輩出した山田監督。「サッカーは足でやるものだから、もちろん止めて、蹴れて、運べて、というのは必要です。ただプロになるのに重要なのはハートと頭。考え方や信念をしっかり持っている子がやっぱりプロの世界に行っても活躍している。だからサッカーは胸から上なんだよと話をよくしています」と、持論を展開する。
さらに、「おふたりが言ったものに付け加えさせていただくと」と切り出した平岡監督は、巻誠一郎、谷口彰悟らを指導した経験を基に、「プロになる選手は、一人ひとりが24時間をデザインしながら、諦めないという心の才能を持っている。見えるところでのトレーニングはほとんど変わりないが、24時間のなかで主体的に自分が変わろうとする努力の入り口しか、その先の変化から進化は作れない』と話した。
また平岡監督の「あとは顔も大事」という意見に、他ふたりも同意。「いい選手は、段々と格好良い顔つきになるもの」だと同調した。
現在は新型コロナウイルスの影響で、インターハイが中止になったり、そもそも部活動自体が活動できなかったりとい、プロを目指す選手たちにとっても苦しい状況だ。しかし、ストロングポイントを磨き、改めて考え方を見つめ直すなど、今の過ごし方が将来につながるかもしれない。
構成●サッカーダイジェスト編集部
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