「サッカーをやってる誰もが夢見るゴールだった」
今から34年前、永遠に語り継がれるであろう伝説のゴールが誕生した。1986年6月22日、イングランドとのメキシコ・ワールドカップの準々決勝で、アルゼンチンのディエゴ・マラドーナがやってのけた「5人抜き」である。
その4分前には、あの神の手ゴールを決め、世界を“欺き”、「とんだペテンによってゴールを盗まれた」(ピーター・シルトン=当時のイングランド代表GK)と敵を憤慨させていたアルゼンチンの10番が、そうした雑音を一瞬にして黙らせたのは、55分のことだった。
すでに世界屈指のアタッカーとして名を馳せていたマラドーナは、試合序盤から巨漢CBテリー・ブッチャーをはじめとする相手守備陣に激しいマークを受け、ほとんど自由を与えられていなかった。だが、この瞬間に食いついてきた相手の逆手を取る。
自陣センターサークル付近でボールを受けたマラドーナは、軽やかなボールタッチでピーター・ベアズリーとピーター・リードをいとも簡単に抜き去ると、そこから一気に加速。何としてでも食い止めようとするテリー・ブッチャー、テリー・フェンウィックの両CBをいなし、最後は懸命に手を伸ばすシルトンをもかわして、左足でゴールに流し込んだのだ。
その魔法のようなドリブルに、イングランド人は悔しさを滲ませつつも押し黙るしかなく、アルゼンチンの10番は、永遠のレジェンドとなったのである。
その4分前には、あの神の手ゴールを決め、世界を“欺き”、「とんだペテンによってゴールを盗まれた」(ピーター・シルトン=当時のイングランド代表GK)と敵を憤慨させていたアルゼンチンの10番が、そうした雑音を一瞬にして黙らせたのは、55分のことだった。
すでに世界屈指のアタッカーとして名を馳せていたマラドーナは、試合序盤から巨漢CBテリー・ブッチャーをはじめとする相手守備陣に激しいマークを受け、ほとんど自由を与えられていなかった。だが、この瞬間に食いついてきた相手の逆手を取る。
自陣センターサークル付近でボールを受けたマラドーナは、軽やかなボールタッチでピーター・ベアズリーとピーター・リードをいとも簡単に抜き去ると、そこから一気に加速。何としてでも食い止めようとするテリー・ブッチャー、テリー・フェンウィックの両CBをいなし、最後は懸命に手を伸ばすシルトンをもかわして、左足でゴールに流し込んだのだ。
その魔法のようなドリブルに、イングランド人は悔しさを滲ませつつも押し黙るしかなく、アルゼンチンの10番は、永遠のレジェンドとなったのである。
この衝撃のゴールを本人はどのように感じているのか? 現地時間4月16日、アルゼンチン・サッカー協会の動画メディア『AFA Play』でリバイバルされたインタビューで、マラドーナは、「あのゴールは俺たちが夢にまで見るかたちだったと思う」と振り返った。
「サッカーをやってる人間なら誰もが夢見るようなゴールだった。あの時、俺たちはより高いレベルに進むように促されていた。アルゼンチンが対戦していたのは、グループリーグで戦った韓国やブルガリアのようなチームではないんだとね。それで敬意を形にしたんだ。イングランドとやっているんだとね」
さらに「イングランドとは対等だった。どっちもいい選手たちがいた。でも、アルゼンチンには俺がいたんだ」と豪語したマラドーナは、ドリブルシーンを克明に描写した。
「1点目(神の手ゴール)を超えるものだった。センターライン付近でボールを持って、左足でタッチしてすぐにゴールに向かった。息を切らせて横を走っていたリードを抜き去ったとき、俺は『これでいける。これは競馬だ』と思った。
そしてブッチャーをかわした時、ブルチャガとバルダーノが見えた。その横でフェンウィックがパスをするか、一人でゴールに向かってくるかをしきりに確認していたんだ。そして俺はドリブルでフェンウィックを抜き去って、前に進んだ。そしたら彼は掴みかかろうとした。なぜか? それは俺がブルドーザーだったからさ。つまり止めようがなかったのさ」
「サッカーをやってる人間なら誰もが夢見るようなゴールだった。あの時、俺たちはより高いレベルに進むように促されていた。アルゼンチンが対戦していたのは、グループリーグで戦った韓国やブルガリアのようなチームではないんだとね。それで敬意を形にしたんだ。イングランドとやっているんだとね」
さらに「イングランドとは対等だった。どっちもいい選手たちがいた。でも、アルゼンチンには俺がいたんだ」と豪語したマラドーナは、ドリブルシーンを克明に描写した。
「1点目(神の手ゴール)を超えるものだった。センターライン付近でボールを持って、左足でタッチしてすぐにゴールに向かった。息を切らせて横を走っていたリードを抜き去ったとき、俺は『これでいける。これは競馬だ』と思った。
そしてブッチャーをかわした時、ブルチャガとバルダーノが見えた。その横でフェンウィックがパスをするか、一人でゴールに向かってくるかをしきりに確認していたんだ。そして俺はドリブルでフェンウィックを抜き去って、前に進んだ。そしたら彼は掴みかかろうとした。なぜか? それは俺がブルドーザーだったからさ。つまり止めようがなかったのさ」