セリエA第17節、フィオレンティーナ対ローマの83分にガエターノ・カストリビッリと交代して途中出場した選手の名前は「ヴァランタン・エイセリック」だ。そして同じ第17節、ラツィオ対ヴェローナの70分、ヴァレリオ・ヴェッレとの交代でピッチに立ったのも、「ヴァランタン・エイセリック」だ。

　同じ17節の異なる２試合に同一選手が出場したのはなぜか。ラツィオ対ヴェローナの一戦が、ラツィオのスーペルコッパ・イタリアーナ（イタリア・スーパーカップ）出場のために延期されていたからだ。

　17節は昨年12月の３週目に行なわれた。だが、12月22日にサウジアラビアでユベントスとのスーペルコッパを控えていたラツィオの試合は延期せざるを得ず、２月５日に開催された。

　その間、エイセリックは冬のマーケットでフィオレンティーナからヴェローナに移籍している。そのため、17節の２試合に別のチームで出場するという珍事が起きたのだ。
 

　この事態に反応したのが、勝っていればインテルを抜いて２位に浮上し、首位ユベントスに２ポイント差に迫ることができたものの、ヴェローナとホームで引き分けたラツィオのサポーターだ。もしもエイセリックに出場資格がなければ、失った勝点２につながるかもしれない。

　イタリア紙『Gazzetta dello Sport』によると、ラツィオは異議を申し立てることができるか問い合わせたようだ。ただ、目的は、今後に備えて規則の不備を正すことにあるという。ラツィオの弁護士は「異議を申し立てることはしないと思う。規則の想定外の事態であることは確かだがね」と述べた。

「クラウディオ・ロティート会長が明確にするのを望むことはあり得る。彼には体制上の役割もある（イタリア・サッカー連盟理事）から、今後に同様の疑問が残る事態を避けるためにね」

『Gazzetta dello Sport』紙によれば、試合結果は認定されており、今後に影響はないとみられる。

　いずれにしても、ラツィオは目の前に集中すべきだろう。ヴェローナは８日の第23節でユベントスを下す金星もあげた。９日のパルマ戦に勝てば、ラツィオはユーベに１ポイント差と迫ることができる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部