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「最大の欠点は…」マドリーの16歳“ピピ”中井卓大は「20%の狭き門」を突破できるか? 現在の立ち位置を番記者がレポート【現地発】

カテゴリ:海外日本人

セルヒオ・サントス

2019年10月24日

優れているのは足下の技術

24日で16歳となった中井。トップ昇格の鍵となるのは?(C)Getty Images。(C) SOCCER DIGEST

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“ピピ”こと中井卓大は、レアル・マドリーのカンテラへの入団から5年を経て、フベニールCの主力を担うまでに成長した。

 マドリーのフベニール・カテゴリーは3チームに分かれており(2チームのチームが多い)、今シーズンであれば2001年生まれの選手がAチーム、02年生まれの選手がBチーム、03年生まれの選手がCチームにそれぞれ所属する。実力が評価されて、2002年生まれの選手がAチーム、2003年生まれの選手がAチームかBチームと飛び級でプレーするケースも存在するが、あくまで例外に過ぎず基本的には生まれた年ごとに配属される。

 03年生まれの中井もその例に従ってCチームに所属しているわけだが、ただフベニールの年齢は17歳から19歳までに制限されている。彼の場合は誕生日が03年10月で、今シーズンが終了した時点で既定の17歳には満たさない。しかしスペインでは各カテゴリーに配属される際に年齢よりも生まれた年が優先され、中井のようにシーズンが開幕する9月から12月に誕生日を迎える選手は日本でいえば早生まれのような位置づけになる。

 ロベルト・ロドリゲス監督率いるマドリーのフベニールCが属しているリーグは、プリメーラ・アウトノミカだ。フベニールAはディビシオン・デ・オノール、フベニールBはリーガ・ナシオナルに所属する(リーガ・ナシオナルとプリメーラ・アウトノミカは地域リーグ。ディビシオン・デ・オノールは全国リーグ)。

 とりわけフベニールCとフベニールBの実力は同じリーグ内で一部のチームを除いて群を抜いており、大差がつく試合がほぼ当たり前の状況になっている。したがって、勝敗を競いながら勝負強さを身に付けるという点においては若い選手にとって必ずしも理想の環境とは言えないのが実情だ。
 
 このフベニールCで今シーズンからプレーしているピピは、開幕以来、4試合中3試合でスタメンに出場し、1ゴールを挙げている(原稿執筆時点)。ポジションはトップ下で、足下の技術に優れ、首脳陣もチームメイトもテクニックと視野の広さに一目置いている。

 その一方で、周囲から課題として指摘されているのがプレーの継続性だ。それは何も試合ごとに好不調の波が激しいという点だけに留まらず、同じ試合の中でも鮮やかなパスを決めたかと思ったら、途端に消えてしまうことも少なくなく、“天才肌”特有の課題を持っている。
 
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