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【担当記者コラム】“死の組”もサッカー熱を蘇らせるチャンス。特に興味深いスペインとの再戦

カテゴリ:日本代表

本田健介(サッカーダイジェスト)

2022年04月02日

強豪ドイツとも対戦

スペインは昨夏の東京五輪でも対戦。リベンジなるか。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 誰もが「ここに挙がったら厳しい」と感じたグループに日本の名は呼び上げられた。

 日本時間4月2日(現地時間4月1日)にカタール・ワールドカップの抽選会が、開催国のカタールで開催され、A~Hの各グループを含め、日本のグループリーグでの対戦国が決定した。

 前日に発表されたFIFAランキングをもとに、32か国が4つのポッドに分けられ、ドローが行なわれ、ポッド3に入った日本が振り分けられたのはグループEだった。

 ポッド1からはスペイン、ポッド2からはドイツがすでに入っていたグループ。そこに3か国目として、呼ばれたのが日本だった。

 残りの1か国は北中米とオセアニアの大陸間プレーオフの勝者、コスタリカもしくはニュージーランドとなる。日本にとっては死の組と呼べる厳しいグループになったと言えるだろう。

 日本は11月23日に初戦でドイツと対戦し、同27日の2戦目にコスタリカかニュージーランド、12月1日の3戦目にスペインと対戦する。

 ただ日本の悲願のベスト8進出を願う一方で、抽選会を見ながらスペイン、ドイツとの対戦をワールドカップの舞台で見てみたいと、「このグループに入ったら面白い」と考えていたのも私だけだったか。

 森保一監督もドロー後、「どこが相手でも目標は変わらないので、戦いは楽しみです」とコメントしている。

 今最終予選、ワールドカップ決定の瞬間は地上波で放送されず、コロナ禍もあってサッカー人気の低迷ぶりは大きな不安要素だ。楽観的すぎる考え方かもしれないが、ドイツ、スペインを破る番狂わせを見せ、悲願のベスト8に進んでこそ、サッカー熱を再び蘇らせるチャンスになるのではないか。
 
 特に個人的に注目したいのは第3戦のスペイン戦。年齢制限はあったが、昨夏の東京五輪の準決勝でも、森保兼任監督の下でスペインと対戦しており、延長戦の末に0-1で敗れた。

 当時、弊誌サッカーダイジェストでは関塚隆氏と中村憲剛氏に大会を総括してもらったが、中村氏の言葉が印象深い。

「今大会(東京五輪)は6試合、様々なスタイルの相手と試合をできて、個人としてもチームとしても引き出しは増えたはずです。ただスペイン戦はそれまでの試合とまったく別の形になった。あのような相手との試合を勝ち抜くためには、現実的なサッカーと、同じ土俵に上がって相手を打ち負かす、スペインからボールを取り上げて攻めるサッカー、両方がある。“勝つためにその時々で形を変える”か“自分たちが目指すサッカーを貫く”か。両方柔軟にできるのがベストだし、目指すべきですが、日本の方向性を考えるうえでスペイン戦では大事なテーマを突き付けられたと感じます。

 スペインのような相手と対戦すれば、守備を重視し、カウンターを狙うのはひとつの有効な戦い方です。でも日本は、今大会(東京五輪)、基本的にはスペイン寄りのサッカーを志向してきた。だから僕は自分たちがやりたい形でスペインにかなり上回られての敗戦という感想が強く、ピッチ上で選手たちも差を痛感したと思うんです。

 技術面も一つひとつ切り取っていくと、自分たちが突き詰めてやっていたはずのレベルを、スペインはそのかなり上をいっていた。それは技術をベースとした個人戦術眼のところもそう。今後、日本としてどう強化していくのか、そういう次元の話にもなってくるのかなと。でももしスペインと対戦してなかったらこういう考えにはなっていないはずですし、粘り強く勝ち筋を見い出す戦いは素晴らしかったです。ただ、恐らく日本が目指すスタイルの一端、その最高峰であるスペインのサッカーを肌で感じたからこそ、考えさせられたんじゃないかなと。日本にも“日本のスタイル”を作りたいという願いも改めて湧き出てきたところもあります。

 もちろんこれまでの大会のように献身性を持ってチーム全員で連動し、勤勉性を生かす戦い方は日本に適していると思いますし、日本の武器だとも思っています。でも今後はそこにプラスして、いかにボールを保持する時間を長くし、攻める時間を長くするか。スペイン戦がひとつの指標になれば良いなと強く思いました。

 繰り返しになりますが、スペインと当たれば分が悪いので、割り切ったサッカーを選択するのか、あのスペインに対してボールを握れれば、どこと戦っても勝てると考えるのか、意見が分かれるはずです。個人的に理想はスペインのようなサッカーだと考えますが、どの国も簡単には追い付けない現実もあります。スペインはどの相手にもあのサッカーを徹底しました。世界でもスペインからボールを取り上げられる国は限られるわけです。でも改めて僕はあそこを目指したいと思ったんです。これは個人的な願望ですが(苦笑)」

 あのスペイン戦から約1年半を経て迎えるワールドカップ本大会。大きな衝撃をピッチで感じた吉田麻也、田中碧、遠藤航、板倉滉、久保建英らが、再びスペインと対戦した際にどんな姿を見せてくれるのか非常に興味深い。それこそ新たに取り入れた4-3-3システムによる進化の一端を示してもらいたい。

 そしてグループリーグを勝ち進めば、ベスト16で、4年前のロシア大会であと一歩のところでベスト8進出を阻まれたベルギーと対戦する可能性もある。

 日本としての成長ぶりをどう表現するのか。日本サッカーの底力をカタールの地で観られるのか、今は楽しみにしたい。

文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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