20分過ぎまでストレスが掛かる展開だったが…
料理人には二通りのタイプがいる。作りたい料理のために必要な食材を集めるか、旬の食材を生かしてメニューを考えるか。初陣での大岩剛監督は後者だった。
パリ五輪を目指すU-21日本代表は、長いようで短い航海をスタートさせた。3月上旬の千葉合宿に続く2度目の活動は初の海外遠征。3月21日からUAEに渡り、ドバイカップU-23に参戦。23日に行なわれた初戦では、U-23クロアチア代表に1−0で勝利を挙げた。
まだ産声を上げたばかりのチームで、現状はラージグループを作ったうえで選手たちの力量を推し測っている段階。指揮官のカラーがしっかり反映されるのはもう少し後になるが、初陣を踏まえて見えてきた色もある。それが、選手の個性を生かした戦い方だ。
クロアチア戦。それぞれの選手たちの合流日や離脱日を考慮しながら先発メンバーが選ばれた関係もあり、ボールを動かせる選手がCBとボランチに揃っていた。前日練習では何度も最終ラインからボールを入れるタイミングを確認し、丁寧にビルドアップをしながら攻撃の糸口を模索しようとしていた。
しかし、試合が始まると、狙い通りの形が出てこない。30度に迫る気温もあって、クロアチアは3バックと両ウイングバックに配置した大柄な選手を生かし、ゲームのテンポを遅らせる戦術を取ってきた。
日本は、国内ではあまり見られない相手の戦い方に戸惑い、苦戦。ボランチの藤田譲瑠チマ(横浜)も前向きでボールを受けられず、20分過ぎまでストレスが掛かる展開となった。
だが、選手たちに焦る様子はなく、相手の穴を探しながらボールを動かすプレーに注力。徐々にビルドアップがうまくいき、サイドから崩す場面が増える。
すると、左サイドハーフの斉藤光毅(ロンメル)や右サイドハーフの甲田英將(名古屋)が突破を図れるようになった。その後は何度も決定機を創出。ゴールが生まれたのは81分で決定力に課題を残したものの、相手を見ながらうまくゲームを運べていた。
パリ五輪を目指すU-21日本代表は、長いようで短い航海をスタートさせた。3月上旬の千葉合宿に続く2度目の活動は初の海外遠征。3月21日からUAEに渡り、ドバイカップU-23に参戦。23日に行なわれた初戦では、U-23クロアチア代表に1−0で勝利を挙げた。
まだ産声を上げたばかりのチームで、現状はラージグループを作ったうえで選手たちの力量を推し測っている段階。指揮官のカラーがしっかり反映されるのはもう少し後になるが、初陣を踏まえて見えてきた色もある。それが、選手の個性を生かした戦い方だ。
クロアチア戦。それぞれの選手たちの合流日や離脱日を考慮しながら先発メンバーが選ばれた関係もあり、ボールを動かせる選手がCBとボランチに揃っていた。前日練習では何度も最終ラインからボールを入れるタイミングを確認し、丁寧にビルドアップをしながら攻撃の糸口を模索しようとしていた。
しかし、試合が始まると、狙い通りの形が出てこない。30度に迫る気温もあって、クロアチアは3バックと両ウイングバックに配置した大柄な選手を生かし、ゲームのテンポを遅らせる戦術を取ってきた。
日本は、国内ではあまり見られない相手の戦い方に戸惑い、苦戦。ボランチの藤田譲瑠チマ(横浜)も前向きでボールを受けられず、20分過ぎまでストレスが掛かる展開となった。
だが、選手たちに焦る様子はなく、相手の穴を探しながらボールを動かすプレーに注力。徐々にビルドアップがうまくいき、サイドから崩す場面が増える。
すると、左サイドハーフの斉藤光毅(ロンメル)や右サイドハーフの甲田英將(名古屋)が突破を図れるようになった。その後は何度も決定機を創出。ゴールが生まれたのは81分で決定力に課題を残したものの、相手を見ながらうまくゲームを運べていた。
クロアチア戦のキーワードは、“選手の特長を生かす”ことだろう。この試合ではボールを動かせる選手が揃っていたが、もし松村優太(鹿島)や小田裕太郎(神戸)のようなスピードで違いを作る選手がいれば、早い時間帯から縦に速い展開を狙えた。スタートから荒木遼太郎(鹿島)がトップ下に起用されていれば、中央からの仕掛けがもう少し多かったかもしれない。
もちろん、初陣だけですべてが見えるわけではない。週末に公式戦に出場してからの移動で選手のコンディションはバラバラ。合流日と離脱日の兼ね合いもあり、選手起用の選択肢も限られていた。ただ、少なくとも大岩監督は選手の個性を生かすことでチームの歯車を噛み合わせたのは間違いない。
「グループとしての意図を汲んで戦術的に戦い、この暑さの中で選手たちが非常に考えたプレーをしてくれた」とは大岩監督の言葉。
26日に行なわれるU-23カタール代表との一戦は疲労や離脱日を考慮し、多くのメンバーを入れ替えて挑む可能性が高い。初戦のメンバーとはまた違った色があるはずで、選手の特性を生かしながらどのような戦い方を見せるのか。次戦も指揮官の手腕に注目したい。
取材・文・写真●松尾祐希(フリーライター)
【PHOTO】2024年のパリ五輪を目指し“大岩ジャパン”が始動!
【動画】松木玖生やチェイス・アンリが参加! ドバイカップU-23出場組が初トレーニングを実施!
もちろん、初陣だけですべてが見えるわけではない。週末に公式戦に出場してからの移動で選手のコンディションはバラバラ。合流日と離脱日の兼ね合いもあり、選手起用の選択肢も限られていた。ただ、少なくとも大岩監督は選手の個性を生かすことでチームの歯車を噛み合わせたのは間違いない。
「グループとしての意図を汲んで戦術的に戦い、この暑さの中で選手たちが非常に考えたプレーをしてくれた」とは大岩監督の言葉。
26日に行なわれるU-23カタール代表との一戦は疲労や離脱日を考慮し、多くのメンバーを入れ替えて挑む可能性が高い。初戦のメンバーとはまた違った色があるはずで、選手の特性を生かしながらどのような戦い方を見せるのか。次戦も指揮官の手腕に注目したい。
取材・文・写真●松尾祐希(フリーライター)
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