日本のサッカー界からやって来たオーストラリア人指揮官は、混迷していたセルティックを再生させた。レジェンドOBは、アンジェ・ポステコグルーに懐疑的だったことを認めつつ、その手腕をたたえている。

　９連覇していたスコットランドリーグで宿敵レンジャーズに王座を奪われ、ニール・レノン前監督が退任。エディ・ハウの招聘を試みるも失敗したセルティックは、横浜F・マリノスを率いていたポステコグルーに白羽の矢を立てた。

　エースのオドソンヌ・エドゥアールが夏の移籍市場最終日に移籍したセルティックだが、古橋亨梧ら新加入選手たちの活躍もあり、ポステコグルー体制１年目で立て直しに成功。リーグカップを制してトロフィーを獲得し、リーグ戦でもレンジャーズを抑えて首位に立っている。

　OBのジョン・ハートソンは、『The Herald』で「開幕時、セルティックがリーグを優勝するなど不可能なことだった」と、ポステコグルーの就任当初は道のりが険しかったと振り返っている。

「アンジェが引き継いだのは混乱だった。当時、私は過渡期と言っていたよ。チーム最高の選手であるCFを失った。最高のCBも失った。キャプテンを失った。監督がいなかった。CEOは去った。チームは、さあどうしようという状態だった」

「連れてきたのが、アンジェ・ポステコグルーだ。誰も彼について聞いたことがなかった。敬意を欠いているわけじゃない。だが、みんな『この男は誰だ？』と尋ねていた。私もだ。もっと名の知れた監督を招聘すべきだと思った」

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　元ウェールズ代表FWは、「私がまったくの無知だった。だが、それは私だけじゃない。多くの人が無知だった。メディアも同じだ。『彼は誰だ？何をしてきた？どこにいた？』とね。だが、彼は信じられないくらいうまくやってきた」と、ポステコグルーを称賛した。

「彼が獲得した選手たち、サッカーのスタイル。それにスタジアム全体を団結させた。彼らのプレーは、アグレッシブに前に出て得点するやり方だ。彼らがいたところを考えたら、優勝できるかもしれないというだけで素晴らしい」

　ただ、スコットランドの名門セルティックの歴史に名を残した偉大な先輩たちに追いつくには、もっと実績が必要とも指摘。「彼はとても謙虚だ。勝利を望み、大きな意欲を持っていると思う。選手たちの成長を望んでいるだろう」と話している。

「セルティックを離れるときに、リーグタイトルや４、５回のカップ戦優勝を実現していれば、彼は他の偉大な監督たちと同じように考えられるようになるだろう」

　ポステコグルーがどれくらいセルティックで指揮を執るかは分からない。いずれにしても、今シーズンのリーグタイトルが第一歩となるはずだ。ポステコグルーとセルティックは、覇権を奪還できるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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