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【三浦泰年の情熱地泰】カズ効果で実感した見られることの大切さと、長友佑都が示した「リバウンド・メンタリティ」について

カテゴリ:連載・コラム

三浦泰年

2022年02月04日

練習見学には連日100人以上のファン・サポーター

先月31日には入団会見を行なったカズ。入団の決め手には兄・ヤス監督の存在が大きかったことを明かした。(C) 鈴鹿ポイントゲッターズ

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 カズが合流して3日経ち、コラム入稿も忘れてしまうくらい1月の終わりから2月の頭は慌ただしかった。

 2022年もあっという間に1か月が経った。僕にとってはサッカーを通して良いことが多い時間だった。カズの入団会見が無事に終わったということ、そして日本代表がホームでサウジアラビアを相手にしっかりと勝利を掴んだということ。

 鈴鹿に新しい風が嵐のように吹いて来たが、カズの影響力にはびっくりだ。平日だというのに、連日100人以上のファン・サポーターが集まって、真剣に練習を見てくれる。
 
 これは選手にとっても素晴らしい成長への後押しであり、監督の練習メニューでは補うことの出来ない良い現象である。見る人が増えることで選手のモチベーションも高まるし、見られていればつまらないミスは出来ない、プレーの精度も上がる。非常に大事なことなのである。

 そして指揮を執る僕にとっても、つまらないやる気の出ないトレーニングなどさせられる訳がない。より考えたトレーニングメニューとアプローチ、コーチングが求められるのである。

 それでいて我々は他所行きなタキシードを着て、トレーニングをやるようでは意味がない。本音を出し合うプロとしての練習を妥協なく貫く時間にしなければいけないのである。

 そんな環境は簡単に作ろうと思っても出来ることではない。カズの影響のひとつであり、もちろんカズにとってもより体調を整えて臨まなければならない。そんな好循環を呼んでいるのだ。

 非公開トレーニングがコロナ禍の前からスタンダードになりつつあるプロのトレーニング。より集中させるために無観客にする。他クラブに情報が漏れないように、スカウティングされないようにと練習公開が減っている流れの中でしっかり導線を設けて出来る限りの努力をして練習を見てもらう。

 監督、コーチングスタッフ、選手だけではなく、会社のフロントスタッフも協力して朝早くから準備をしてくれる。サポーターに検温と署名をしてもらい、メディア、マスコミ(プレス)とのソーシャルディスタンスを取り、公開練習に力を注いでくれている人の事も忘れてはいけない。感謝の一言だ

 日本代表となればサポーターは全国にいる。練習となればすごい人数の人たちが集まる。

 記憶にある公開練習は、オシム監督、ジーコ監督の時代だ。監督によって考え方はいろいろであろうが、オシム監督は周りの目を上手く使って緊張感を出していたように感じた。

 逆にジーコ監督時代は、選手の集中力がファンとの距離により、欠けることがあったと聞いたことがある。一方日本人監督は非公開が基本のようになりつつあるような気がする。特にカテゴリーが高く、代表となればそうなるのであろう。

 以前、S級ライセンス取得のために、オシム監督のジェフの練習を見に行った際、公開練習の後にオシム監督は「今日の練習は本来やろうとしていたことより難しい、ハードなトレーニングに変えた」と言った。理由はS級受講者が24人来たからだと言う。元日本代表選手(僕の年は井原、黒崎、吉田さん、武田修宏など何人かのドーハを経験した選手がいた)がいて、見られている選手たちは、いつも以上のモチベーションでプレーできるはずだからと説明してくれた。

 選手時代の経験から、監督は誰が見に来てもプランを変えず自分がやろうと思うメニューでやるのが普通だと思っていただけに、すごく良い話を聞いたなと実感したのを覚えている。

 オシム監督の日本代表トレーニングを何度か見に行ったが、その時期以来、代表のトレーニングを一度も見る機会がなく、そんな僕が語ってはいけないが、先日のカタール・ワールドカップ出場をかけた日本代表のサウジアラビア戦は、2-0で勝利。久しぶりに落ち着いてテレビの前で代表戦を見ることができた。
 
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