現地時間10月24日に行なわれたプレミアリーグ第９節で、６位のマンチェスター・ユナイテッドは、３位のリバプールとホームで対戦し、０‐５の大敗を喫した。

　この結果を巡って両クラブのOBが激論を交わしている。ユナイテッドOBのガリー・ネビルとリバプールOBのジェイミー・キャラガーだ。

　英スポーツチャンネル『Sky Sports』の中継番組に解説者として出演していたふたりは、試合後のオレ・グンナー・スールシャール監督のインタビューが終わった後、７分間にわたって白熱した議論を展開したという。現地紙『Liverpool Echo』が報じた。

　司会者のデイブ・ジョーンズに話を振られたネビルは、「（インタビューを）見ているだけで心が痛い。それに、今のチームがリバプールやシティ、チェルシーに近づいているとは思わない」と述べた。

「ユナイテッドというビッグクラブで、リバプールとの大一番に０-５で負けたら、ものすごいプレッシャーを受けることになる。クラブは以前とは変わった。もしこれがサー・アレックス・ファーガソン政権の直後であれば、オレは滅多打ちにされていただろうね。だが、クラブは気が抜けない状況だと理解しつつ、新しい監督を迎えようはしないと思う。今シーズンは我慢を選択し、オレとともにファンやメディアが『解任すべきだ！』と叫ぶ騒音に耐えるだろう」

　そして、「このクラブはオーナーの面でも安定してきた。彼らの話はもっと聞きたいね」とオーナーの姿勢をチクリとしつつも、「結果的には昨シーズンも２位で終えた。チームに偉大な選手も加わり、彼らが馴染んでくれば結果が出せるようになるだろう」と楽観視している。

　しかし、これにキャラガーは真っ向から反論。「安定しているというが、変化を恐れているのではないか？」と切り込んだ。

「（ルイス）ファン・ハールや（ジョゼ）モウリーニョの時のように、ユナイテッドの選手ではない誰かを連れてくることを恐れている。ユナイテッドの役員会は、今強気なのではなく、パニックになっているんじゃないか？ 他の誰か連れてきて、好き勝手されたら困るから、どうしようとね」
 

　元イングランド代表DFは、こう続けている。

「私は月曜日の時点では、スールシャールを批判するつもりはなかった。だが、ユナイテッドはやはり、ユルゲン・クロップ、ジョゼップ・グアルディオラ、トーマス・トゥヘルが率いるチームに挑むにはより優れた監督が必要なのではないか？ オレをリスペクトしていないわけじゃなく、インタビューには同情すらする。だが、彼はビッグクラブであるユナイテッド級の監督ではないんだ。次のレベルに行く、リーグ優勝をする、チャンピオンズ・リーグを獲る、そういったレベルに引き上げる人材ではないし、彼はクロップやペップ、トゥヘルにはなれない」

　ネビルはこれを静かに聞いた後、「ファン・ハールやモウリーニョに失望した過去からも、トップレベルの”ヒットマン”を引き抜いてくることは考えていないし、このスタジアムに集ったファンもオレの解任を望まないだろう」とコメント。ところがキャラガーは「君はいつもそれを言うね。以前に偉大な監督が失敗したからといえ、素晴らしい監督の獲得を目指すべきではないという理由にはならないよ」と反論した。

　しかし、ネビルは「当時モウリーニョは世界一の監督だった。だが期待には応えられなかった。だからフロントはもう二度と、２年で仕事をするような必殺仕事人は連れてこない」とさらに反撃している。

「例えば（アントニオ・）コンテは空いているが、彼はユナイテッドには来ない。今、彼をここに連れてくることはないだろう。（司会者『なぜ？』）彼はユナイテッドには合わないと思う。もし来たら応援するが、ファン・ハールのような特定のスタイルを持つ監督はここではフィットしない、うまくいかないんだ。『ユナイテッドに来て成功できる監督はいない』と言ってるわけじゃない。だが、今オレを解任することは間違っている。私はそう思う」

　現地メディアでは、来週月曜日にフロントとスールシャールが会議の場を持つと報じられている。ユナイテッド指揮官の座を巡って、今後の動向が注目される。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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